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TOEIC出題ミスで試験中止、2.4万人に影響


ニュース 社会 作成日:2017年12月25日_記事番号:T00074691

TOEIC出題ミスで試験中止、2.4万人に影響

 英語によるコミュニケーション能力を検定する世界共通テスト「TOEIC」は、台湾でも学校や企業で英語力を測る指標として広く導入されており、受験者も多い。ところが24日に行われたTOEICの試験で、聞き取りテストの放送内容が試験用紙に記載されたものと異なるという考えられないミスが発生。開始から40分で中止が発表され、約2万4,000人の受験生に影響が出る事態となった。

 米国の非営利団体、教育試験サービス(ETS)が試験の開発、運営、試験結果の評価を行っているTOEICは台湾において、同じくETSが実施する「TOEFL」やケンブリッジ大学英語検定機構が実施する「IELTS」など、留学の際に英語力の目安として用いられる他の英語検定に比べ、企業における管理職や幹部育成の際に参考するための指標として採用されるケースが多い。

 また求人求職情報サイト大手、1111人力銀行の何啓聖副総裁によると、990点満点のTOEICで900点以上の成績を収めた求職者は、他の条件が同等の場合、給与水準を550点の者に比べ3,000~5,000元、検定試験を受けていない者に比べ5,000~6,000元高く設定できるという。

 24日のテストは台湾全土43会場で午前9時30分に一斉に開始された。しかし実際に受けた受験生によると、最初の聞き取りテストで試験用紙の1枚目には男性のイラストが描かれていたが、スピーカーから流れてきた問題文は「she」が主語となっていた。続いての第2問は女性がソファーの上で新聞を読んでいるイラストが描かれていたが、放送された問題文の主語は「they」だった。さらに3問目の主語も試験用紙の内容と異なっていたことから、受験生から異常を指摘する声が相次いだ結果、10時ごろ全ての会場でテストの中止が宣告された。

 出題ミスを受けて、2001年より台湾でのTOEICを代理運営する忠欣公司は25日、今回のテストの受験生は、来年1月7日または1月27日に実施される試験を受けるか、受験料返金のいずれかを選択できるとする救済方法を発表した。

 しかし受験生からは「無駄足を踏んだ」「スケジュールが狂った」など不満の声が多々上がっている。また、財団法人消費者文教基金会(消基会)の鄧惟中副董事長は、試験が中止となったことで求職者の活動やサラリーパーソンの昇級に影響が出る可能性があり、主催者は試験が中止となったことの証明書を発給するほか、受験生の交通費や1日を無駄にしたことに対する賠償金を支払うべきと指摘した。