受動部品最大手、国巨（ヤゲオ）傘下の国益興業科技は26日、代理店に対し、厚膜チップ抵抗器の汎用品の受注を一時停止すると通知した。ヤゲオは、チップ抵抗器の安全在庫量が40日分以下となっており、重要な顧客に優先的に供給するためと説明した。27日付工商時報が報じた。
ヤゲオは、需要が生産能力を上回っており、今後生産能力や出荷を調整すると説明。納期が長引くようなら、再値上げも選択肢の一つとした。
証券会社は、スポットが多い代理店からの受注を停止したことから、ＥＭＳ（電子機器受託生産サービス）やＯＥＭ（相手先ブランドによる生産）を優先することが分かると指摘。今後の値上げは必至だと予測した。
ヤゲオのチップ抵抗器月産能力は900億個で、世界市場シェア34％と、２位のＫＯＡ（本社・長野県上伊那郡）のシェア９％を大きく引き離している。ヤゲオは、アップルのスマートフォンiPhoneのサプライヤーが売上高の45％、利益の50～60％を占めている。
