ニュース 社会 作成日:2018年1月11日_記事番号:T00074961
ここ2日間、台湾全土で急激に気温が低下した上、雨模様の天気が続き、普段はバイクで通勤しているサラリーパーソンのマイカー利用が増えている。特に日頃から道路の混雑が問題化している新竹科学工業園区(竹科)周辺では大渋滞が発生。路上は遅刻を覚悟した通勤者で溢れ返った。
新竹では10日早朝、気温が9.6度まで下がり、この冬一番の寒さとなった。このため多くのバイク通勤者が車に乗って自宅を出たとみられる。
新竹県竹北市から竹科に通うあるエンジニアはこの朝、渋滞を見越していつもと別のルートを選択。30分ほどで会社に到着できると予測していたが見込みが甘かったようで、結局1時間40分かかり、当然遅刻となった。
また退勤時にも渋滞を避けようとマイカー利用者が先を争って路上に出たことで深刻なラッシュが発生。あるエンジニアは、会社の地下4階にある駐車場から地下1階まで進むだけで40分を要したという。
行政院主計総処の統計によると、台湾の県市別に見た100世帯当たりの自動車所有台数は、新竹県の106.16台が首位、新竹市の91.66台が4位で、いずれも全土平均の71.67台を大きく上回っている。
竹科のマイカー通勤者の大半は、1台の自動車を1人で運転して出社することから、周辺の道路を走行する自動車の数は約10万台に上るとされる。同園区から外部への連絡道路は4本しかなく、普段から渋滞が大きな問題となっていた。
渋滞解消に向け、新竹県市政府、竹科管理局は県市内の信号機を制御したり、公共交通機関の利用を呼び掛けるなど対策を講じている。しかし同園区では昨年、周辺を巡回する路線バス5本を運行したが、1日の平均利用者は約2,500人と、通勤者全体15万人のわずか1.67%にとどまり、ほとんど成果を挙げていないようだ。
新竹市政府は昨年、竹科を含め県市内4エリアを結ぶ環状軽軌鉄道(ライトレール、LRT)の建設計画も発表したが、開通時期は依然として決まっていない状況だ。
こうした中、台湾科学工業園区科学工業同業公会の張致遠秘書長は、ハード面での改善が急激に進むことは期待できないため、フレックス出退勤制度を導入して、自動車の数を分散させるなどソフト面での対策から着手したいとの考えを示した。
IC設計最大手の聯発科技(メディアテック)など工場を必要としない企業や中小メーカーでは、社員が渋滞に煩わされないよう、台湾鉄路(台鉄)竹北駅近くの台元科技園区に本社を移転したり、事務所を開設するケースが相次いでいる。
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