台北市の円山大飯店（グランドホテル）は、ロシアの中間所得層と富裕層を新規顧客として開拓する方針を決定した。ロシアの旅行卸売大手のキンタツアーとフリガト・アエロが10月に台湾へ視察に来る予定で、台湾の観光資源をアピールして訪台客の増加につなげる考えだ。20日付工商時報が報じた。
円山大飯店は20日より、ロシア人シェフを招いてロシア美食フェスティバルもスタートさせた（19日＝中央社）
フランスの市場調査会社、イプソスの統計によると、ロシア人が2016年に国外で消費した金額は前年比40%増加し、１人当たり平均1,000～1,700ユーロ（約13万3,000～22万6,000円）だった。
円山大飯店の張学舜董事長は、ロシアでは厳しい寒さが半年以上続くため、ロシア人は温暖な地域への旅行を好むと指摘。また、ロシア人が旅行先で重視する▽太陽の光▽ビーチ▽グルメ▽果物▽人の優しさ▽治安の良さ▽豊かな自然──を台湾は全て持っていると強調した。
統計によると、昨年台湾を訪れたロシア人の数は延べ9,226人で、このうちビジネス客が90%を占めた。一方、昨年ベトナムを訪れたロシア人は延べ57万4,000人、タイは延べ134万人と台湾を大きく上回った。張董事長は、台湾の旅行業界がロシア市場を開拓してこなかったためと指摘した。
