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淡水河の野鳥の天国、「野犬天国」に変貌


ニュース 社会 作成日:2018年4月26日_記事番号:T00076719

淡水河の野鳥の天国、「野犬天国」に変貌

 台北市と新北市の境を流れる淡水河に架かる華江橋周辺は広大な湿地帯となっており、カモやガンなど数多く野鳥が観測されることからバードライフ・インターナショナルによって重要野鳥生息地(IBA)に指定されている。しかし、この湿地内に位置する華江雁鴨自然公園(台北市万華区)に最近、野犬が増えていることから鳥が寄り付かなくなり、周辺住民からは「野鳥の天国」が「野犬天国」に変わったと嘆く声が聞かれる。

 周辺住民によると、華江公園には現在、野犬が30~40匹住み着いており、中には捨てられたとみられるラブラドール・レトリーバーといった犬種も存在するという。また近年、公園近くでは砂州が広がる傾向にあること、野犬にエサを与える者が多いこと、台北市と新北市が実施している野良犬のTNVR(捕獲、去勢・不妊手術、ワクチン接種、元の場所に返す)活動の拠点が周辺に5カ所密集していることなどが原因となって野犬の数はどんどん増えているそうで、群れになった野犬に取り囲まれるため、ペットの犬の散歩もできない状況だという。

 また野犬が水辺の鳥を捕食するケースも目撃されており、冬になると例年、華江公園近くには約1万羽のカモが姿を現していたが、犬を恐れて寄り付かなくなったためか、最近では200羽ほどに激減しているそうだ。

 台北市動物保護処・動物救援隊の華心恵隊長は、現在、公園周辺で住民の通報を基に野犬の捕獲を行っているが、泥に覆われた川辺は人間も船も入れないため捕獲できず、犬が岸に上がるのを待つしかないと任務の難しさを語っている。

 なお淡水河沿岸では華江公園周辺のほか、北投区の関渡自然公園周辺もIBAに指定されているが、こちらは台北市が専従の管理機関を設け野犬問題に取り組んでいる。このため、バードウォッチャーなどからは華江公園にも専従機関を設置するべきとの意見が出ている。