ニュース 社会 作成日:2018年5月2日_記事番号:T00076798
衛生福利部(衛福部)がこのほど、70歳以上の医師に対する審査を強化するよう各県市政府に通達したことを受け、「年齢差別」と反発する声が上がっている。
医師には定年が存在せず、本人が望めば生涯現役を続けることができる。しかし昨年、89歳の医師が運営する桃園市の診療所で、医療器具が適切に管理されていなかったことを原因とするC型肝炎の集団感染が発生。これを受けて衛福部は今年、各県市の衛生当局が実施する医療機関の審査に「診療所運営管理者を務める70歳以上の医師を対象に不定期審査を行い、実際に医療行為を行っているかどうかを確認する」との項目を加えるよう指示した。
これについて衛福部は、医師免許を借りて別人が診療行為を行うといったケースを防ぐことが主な理由で、「ついでに」医師の健康状態を調査し、業務の継続に支障がないか判断するよう通達したと説明した。
なお70歳を超える医師が74人と、全体の約6%を占める嘉義市では先ごろ、同市衛生局が市内の医療機関関係者を集めて審査についての説明会を開催したが、高齢医師に対する「関心」が例年より高まっていることに対し、一部のベテラン医師からは「熱意と体力があれば年齢は問題ではない」と不満の声が上がった。
このほか高雄市衛生局でも今月より、高齢医師に対する調査を実施する予定だが、中には高名な医師も含まれており、下手に仕事内容に干渉すれば大きな反発を招きかねないと戦々恐々としている。
ただ一方で上記の桃園市の例のほか、開業20年を超えるという新北市のある診療所で、70代の医師が問診の際に同じ質問を繰り返したことから患者が受付係に「先生には少し認知症の疑いがありませんか」と聞いたところ、「気付きましたか?でも私たちも言えないんです」という答えが返ってきたとの事例もある。
確かに業務に支障が出なければ医師の年齢は問題ではない。しかし、自身の能力の低下に気付かない、または認めたくないといった医師も少なくないことだろう。重大な医療ミスが起きる前に、こういった医師のプライドを傷つけないよう引退させられる方策を考えてもらいたいものだ。
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