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太陽電池用多結晶シリコンメーカー、設備稼働率5割で苦戦


ニュース その他製造 作成日:2018年5月7日_記事番号:T00076871

太陽電池用多結晶シリコンメーカー、設備稼働率5割で苦戦

 今年の太陽電池市場は単結晶シリコンと多結晶シリコンの競争が激しく、特に第2四半期は期は各社が価格の微調整で顧客の囲い込みを図っている。台湾の多結晶太陽電池メーカーは設備稼働率が約50%にとどまっており、80%の設備稼働率を維持しているメーカーはごく少数だ。7日付電子時報が伝えた。

 第2四半期は中台で太陽電池メーカーの受注量がいずれも増加し、とりわけ単結晶シリコンメーカーは設備稼働率が比較的高い。多数のメーカーが高効率のPERC(裏面不動態型セル)に生産ラインをレベルアップする中、中国の内需拡大で急ぎの注文が舞い込み恩恵を受けている。

 一方、多結晶シリコンは市場が安定せず、台湾メーカーは優位性を発揮できずにいる。今年は中国で生産委託される多結晶シリコンの変換効率を18.6%以上とする条件が付いている。中国メーカーの技術水準が近づいたためだが、台湾メーカーはこうした案件は赤字確実のため、受注意欲が低いのが現状だ。

 通常の多結晶シリコンよりも高効率が確保できるブラックシリコンのテクスチャリング加工の生産能力は依然不足している。台湾勢は緑能科技(グリーン・エナジー・テクノロジー)、中美矽晶製品(シノアメリカン・シリコン・プロダクツ、SAS)、国碩科技工業(ギガストレージ)、達能科技がブラックシリコン分野への参入を検討しているが、生産量は限定的とみられる。背景には輸出市場が限られ、海外企業に太刀打ちできないことがある。