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台湾初の小型人工衛星、1年で地球5701周


ニュース 社会 作成日:2018年5月17日_記事番号:T00077097

台湾初の小型人工衛星、1年で地球5701周

 成功大学が製作した台湾初の小型人工衛星(キューブサット)「フェニックス」が、昨年5月17日の国際宇宙ステーションからの軌道上放出、運用開始から1周年を迎えた。同大によると、フェニックスは台湾上空を毎日3~4回通過しており、これまで地球を5,701周し、飛行距離は2億4,000万キロメートルを超えた。

 フェニックスは成功大学が約4年をかけて製作。長さ10センチメートル、高さ20センチの立方形で、重さは2キログラム程度。運用開始当初は高度410キロメートルの軌道を飛行していたが、現在は370キロメートルまで高度を下げている。

 フェニックスは、ベルギーのフォン・カルマン流体力学研究所が主導し、世界の大学などが参加する国際プロジェクト「QB50」に加わっており、同プロジェクトにおいて運用中の人工衛星36機のうち唯一、高度200~400キロメートルの大気層におけるイオンと中性粒子の密度に関するデータを観測、提供している。

 成功大学のプロジェクトチームを率いる同大電機系の荘智清教授は、高度200~400キロメートル層は一般の航空機では到達することができず、宇宙探査ロケットの場合は短時間で通過してしまうため、地上または人工衛星からのレーダーで観測する以外に方法がないと指摘。一般の人工衛星は数十億台湾元(1元=約3.7円)の製作費が必要となるが、キューブサットは1億元もかからず、しかも短期間で開発できたとメリットを強調した、

 なお「QB50」プロジェクトに参加するキューブサット群は、イオンと中性粒子のほか、電子、酸素原子、温度といったデータを大気層、時間別に観測しており、地球温暖化や大気科学、宇宙天気、極超音速飛行、宇宙旅行といった分野の研究に役立てられることになるそうだ。