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軍事訓練でパラシュート開かず、400メートル墜落で重体


ニュース 社会 作成日:2018年5月18日_記事番号:T00077120

軍事訓練でパラシュート開かず、400メートル墜落で重体

 台湾軍の台中・清泉崗基地で17日朝、飛行中の輸送機からの降下訓練中、兵士の1人のパラシュートが正常に開かず、地面に激突するという事故が発生。墜落した兵士は奇跡的に一命を取り留めたものの、意識不明の重体となっている。

/date/2018/05/18/18parashuto_2.jpg国防部の李喜明参謀総長は、秦上等兵の回復に全力を尽くすと表明した(18日=中央社)

 事故は6月4~8日に予定される、陸海空軍合同による中国の台湾侵攻を想定した定例演習「漢光34号演習」の予行訓練中に発生した。

 17日午前6時ごろに実施された予行訓練に参加した26歳の上等兵、秦良丰さんは、輸送機「C-130」が高度400メートルを飛行中に空中へ飛び出したものの、何らかのトラブルによりメーン、サブともにパラシュートが完全に開かず、高速で地面にたたきつけられた。同高度からパラシュートで降下する場合、通常は着陸まで60秒ほどかかるが、秦上等兵はわずか26秒のスピードで墜落したという。

 秦上等兵は頭、腰、胸など全身に重傷を負い、心肺停止状態に陥ったが、ただちに病院へ搬送され、救命措置が施された結果、一命を取り留めた。その後、昏睡状態が続いているものの、奇跡的な回復を見せており、病院のきょう午前発表によると現在、意識レベルは「グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)」による評価で「中等度の意識障害」に当たる11点、まばたきによる反応が可能なまでに回復しているという。

 陸軍航空特戦指揮部の武立文少将によると、秦上等兵はこれまで10回の降下訓練を受けた経験豊富なパラシュート部隊員だという。またトラブルの原因については、装備や天候、人為的要素が複合的に作用したとみられている。

 なお秦上等兵が奇跡的に命を取り留めた理由について武少将は、パラシュート兵が基礎訓練時に学ぶ「5点着陸」を実行したためと説明。「5点着陸」とは、高速で降下した際、両足をそろえて地面に接触した後、すぐにすねの外側、ひざ、臀部、腰、背中の順に横側へ転がり、頭部への衝撃を避ける方法で、医師の診察したけがの状況からも、兵士がこのやり方を忠実に守っていたことがうかがえたという。