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漫画『島耕作』の弘兼憲史氏、台湾編の構想明かす


ニュース 社会 作成日:2018年5月24日_記事番号:T00077226

漫画『島耕作』の弘兼憲史氏、台湾編の構想明かす

 日本の人気漫画『島耕作』シリーズの作者として知られる弘兼憲史氏が23日に来台し、民進党の趙天麟立法委員と対談を行った。その際、弘兼氏は、現在、雑誌連載中の『会長島耕作』で台湾を舞台とする12話から成るエピソードを描きたいとの構想を明らかにした。

/date/2018/05/24/18kakomi_2.jpg訪台の感想を求められた弘兼氏は、「5、6回来たことがあり、初めて来たのは30年前だが、大きく変わった」と話した(23日=中央社)

 週刊漫画雑誌『モーニング』に1983年から長期にわたり掲載中の島耕作シリーズは、大手電器メーカー「初芝電器産業」に勤務するサラリーマンを描いた物語。主人公の島耕作は連載開始時、課長だったが、順調に昇進を続け、2008年に社長、13年には「現職」の会長に就任した。

 そして今年2月に掲載号で、島耕作がマグロ養殖を視察するため長崎県福江島を訪れた際、偶然、視察にやって来ていた台湾の立法委員、「趙哲仲」氏と出会うというエピソードが登場した。実はこの人物は趙天麟立法委員をモデルとして創作されたキャラクターで、これがきっかけとなって今回、対談が設定された。

 対談の中で趙立法委員は、日本のアニメ作品の米国輸出額は年間50億米ドルと鉄鋼製品の約4倍に上るほか、世界のアニメ市場の60%が日本製などと指摘して「とてもうらやましい」と述べ、台湾の文化創造産業に対するアドバイスを弘兼氏に求めた。

 これに対し同氏は、日本の漫画産業の成功について▽「大天才」手塚治虫の影響を受けて優秀な漫画家が数多く排出されたこと▽大手出版社が異なる読者層をターゲットとする多様なテーマの作品をリリースしたこと▽戦後のベビーブームで人口が増え、大きな市場が形成されたこと──の3点を挙げて説明した。その上で台湾の漫画界に対し、独自の文化を発展させてほしいと語った。

 また、台湾についての感想を求められた弘兼氏は、歴史的な要因で比較的日本人に冷淡な中国や韓国に比べ、台湾に来るたびに温かみを感じると語った。以前、台湾で道に迷った際、70~80代の年配者に日本語でどちらへ行けばよいか教えてもらったこともあるという。

 なお島耕作・台湾編の創作について弘兼氏は、シリーズの中で描かれる電器業界において、かつて日本はアジアのトップに立っていたが、現在では、台湾や中国、韓国が目覚ましい成長を見せているため、台湾を舞台とするシーンを盛り込もうと考えたと語った。

 島耕作が台湾のどこを訪れ、どのようなストーリーが展開されるのか、今後注目を集めそうだ。