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弁当取りに戻ったのがあだ、女性が列車に挟まれ死亡


ニュース 社会 作成日:2018年5月28日_記事番号:T00077279

弁当取りに戻ったのがあだ、女性が列車に挟まれ死亡

 台湾鉄路(台鉄)屏東駅(屏東市)で27日、77歳の女性がホームに置き忘れた弁当を取るために発車直前の列車を降り、既に動き出した車両に戻ろうとした際に車両とプラットホームの隙間に転落。列車に押しつぶされる形で死亡するという痛ましい事故が発生した。

/date/2018/05/28/18kakomi_2.jpg乗客総出で列車を押した救出劇も残念ながら実らなかった(27日=中央社)

 この女性は夫とともに台東県の温泉へ出掛けるため27日午前7時ごろ、屏東駅で急行列車「莒光号」に乗り込んだ。しかし、列車の発車間際、彼女は持ってきた手作り弁当をホームに置き忘れたことに気付き、あわてて車両を飛び出して取りに戻った。弁当を手に再び車内へ戻ろうとした際、列車のスピードはそれほど出ていなかったが、女性は折り戸式の手動ドアに手をかけた瞬間、車体とホームの間の13センチメートルほどのわずかな隙間に足を取られ転落。下半身を挟まれたまま約5メートル引きずられた。

 これに気付いた駅員があわてて運転士に連絡し、列車を停車させたが、その時、女性は上半身をホームの上に出し、下半身が隙間にきつく挟まれた状態で、苦悶(くもん)の表情を浮かべたまま意識を失っていたという。

 緊急事態を察した駅員がとっさに車内へ入り、乗客に「人が転落しました。すぐに救出を手伝ってください」と呼び掛けたところ、30人以上がこれに応じ、力を合わせて45トンもある車体をホーム側から押して傾けた結果、女性を引き上げることができた。

 しかし下半身に複数箇所の骨折を負った女性はこの時すでに呼吸をしておらず、すぐに病院へ運ばれたものの死亡が確認された。

 今回の事故について警察は、女性が駅員の警告を無視して走行中の列車に乗ろうとしたことが原因で、台鉄側に過失や刑事責任はないとの見方を示している。ただ台鉄では昨年1年間に12人がホームから線路に転落、7人が死亡しており、専門家からは乗客の多い主要駅にホームドア設置を進めるほか、都市交通システム(MRT)で採用されている赤外線警告システムを導入し、リスクを軽減するよう提言がされている。