ニュース 食品 作成日:2018年5月29日_記事番号:T00077280
頂新国際集団傘下の食品大手、味全食品工業の陳永清董事長は28日、スターバックスの中国店舗網への牛乳の供給に向けて同社と交渉を行っていることを明らかにした。合意に達すれば味全にとって大型かつ安定した収益源になると期待できる。29日付工商時報などが報じた。
味全の陳董事長。中国市場の開拓に意欲的で、今年は蘇州工場の建設に6億~8億人民元(約102億~136億円)の投資も計画している(28日=中央社)
スターバックスは昨年、中国事業会社について、合弁相手だった統一企業集団(ユニプレジデント)が保有していた株式50%を約13億米ドルで買い取り、完全子会社化した。現在、中国141都市に3,000店以上を展開。2022年までに230都市、6,000店を目指している。
頂新国際集団は、中国持ち株会社、康師傅控股(カンシーフ)が15年より、米スターバックスと契約し、中国でスターバックスの容器入り飲料の生産・販売を行っており、もともと提携関係にあった。味全はスターバックスの冷蔵飲料を受託生産することでも交渉中との観測も出ている。
質・量・物流、課題が山積み
陳董事長は、スターバックスとの交渉は、詳細がまだ決まっておらず契約に至っていないと説明。その上で、現在の条件からみて、中国市場全体への供給は困難と率直に打ち明けた。
課題として挙げられるのは、生乳の品質と生産量の確保、それに物流だ。中国は牛乳製品に対する安全管理が厳しく、基準を満たす生乳の供給元となる酪農場を確保する必要がある。市場の需要が大きく拡大しているため、生乳の供給量を確保することも重要だ。また、牛乳は新鮮さが求められるが、冷蔵車での運搬はコストがかさむ。これらより、中国各地の需要を満足させることは困難とみている。
陳董事長は、生乳の供給源や気候、環境などの条件を考えれば、スターバックスへの牛乳供給は、まず華北地方からとなる可能性が高いとの見方だ。牛乳を含む冷蔵飲料全体の中国市場での発展戦略は、一級都市(大都市)を優先し、その後二級都市に拡大、配送の利便性を考え製造拠点を複数設けるというものだ。
なお、味全は台湾市場では乳製品が売上高の6割を占める一方、中国市場では約6分の1にすぎず、乳製品の売上比率拡大が課題となっている。
ヨーグルト飲料の新商品発表
味全は同日台湾で、ヨーグルト飲料の新製品「暢優345」を発表した。デュポンダニスコとの提携による高級種菌を配合した機能性商品とアピールし、市場最大手の統一に挑む。
現在、台湾ヨーグルト市場では、統一の「AB優酪乳」がシェア4~5割で首位。味全の「林鳳営優酪乳」はシェア12~15%で2位か3位とみられる。
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