ニュース 社会 作成日:2018年5月29日_記事番号:T00077302
台北市や高雄市といった主要都市の大通りに設置された横断歩道は、30メートルを超える長いものが少なくない。しかし、これら横断歩道を渡る際の青信号の継続時間が短すぎ、速く歩くことのできない高齢者が渡り切れずに取り残され、危険に直面するケースが続出していると指摘されている。
台北市バリアフリー推進協会は、同市では20メートルを超える横断歩道の青信号の大半が、年配者や身体障害者の横断に十分な時間を確保できていないと指摘。仁愛路や敦化南路・北路、承徳路などでは青信号が短すぎるとの理由から高齢者が横断歩道を渡り切れず、あわてて転倒する、車道に立ち往生するといった事例が起きており、台北市政府に対応を求めたものの、依然として目に見える改善は行われていないという。
高雄市の中山路、中華路、民生路、民権路といった主要道路は道幅が約50メートルにもなるが、青信号の長さは50秒以下のものもあり、1秒に1メートル以上の速さで歩かなければ渡り切ることはできない。さらに民権路と三多路の交差点にある信号では、青信号が38秒と若者でも早足で歩かなければ渡り切れず、多くの高齢者がたびたび途中で取り残されている。
老化を原因とする関節炎を患っている76歳の女性は、横断歩道を渡る際、青信号に変わるのと同時にスタートできなければ、足を踏み出す勇気がないと話す。特に痛みがひどい時は、道路を横断することを考えて外出を思いとどまることも多いようだ。
台湾では「歩行者優先」ルールが徹底されていないため、右左折のため交差点に進入して来る車が通り過ぎるのを待つ時間を考慮すると、横断歩道を渡る時間はさらに長くなる。
こうした状況を反映してか、過去3年間にスピードを出し過ぎた車にはねられて死亡した歩行者1,243人のうち、65歳以上の高齢者が822人と「3人に2人」を占めている。
元智大学・老人福祉科技研究センター顧問の伊佳奇氏は、世界保健機関(WHO)の「高齢者にやさしい都市づくりガイド」では、十分な青信号時間の確保、歩行者優先の徹底、歩行者が避難するための中央分離帯の設置などが推奨されていると指摘した上で「台湾の交通には優先席を設置する以外に高齢者に対する思いやりがみられない」と厳しく批判した。
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