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HTCがAI強化、脳腫瘍診断にVR導入へ


ニュース 電子 作成日:2018年5月31日_記事番号:T00077334

HTCがAI強化、脳腫瘍診断にVR導入へ

 宏達国際電子(HTC)傘下の健康医療事業部は30日、人工知能(AI)プラットフォーム「DeepQ AI platform」を発表した。同プラットフォームを通じて、バーチャルリアリティー(VR)技術の脳腫瘍診断への導入を計画しており、早ければ来年にも台湾の病院に採用されるとの見通しも明らかにした。31日付経済日報などが報じた。

/date/2018/05/31/00top_2.jpg張HTC健康医療事業部総経理。同社のAI開拓で重責を担う。「私は賢くはないが頑張る」と語る(30日=中央社)

 HTC健康医療事業部の張智威総経理は、DeepQ AI platformはニューラルネットワーク(神経回路網)とディープラーニング(深層学習)の最適化を図り、従来なら100週間かかっていた演算処理を3日で終えられると高い性能を説明。データ入力とモデル選択だけで問題を解決でき、スピーディーで低コストだとメリットを語った。その上で、AIプラットフォームを通じてVR技術で脳腫瘍を診断するプロジェクトを進めていると明かし、実現すれば手術時の突発的状況の発生リスクを低減でき、手術の成功率を高められると話した。

 張総経理によると、現在、台北医学大学附設医院や秀伝医療集団が採用に関心を示しており、香港の病院からも問い合わせを受けている。HTCは医療器材が今年末に衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)から認証を得られる見通しで、早ければ来年に台湾の病院に採用されるとみている。

 張総経理はまた、今後、コンピューター断層撮影(CT)や核磁気共鳴画像法(MRI)にもAI導入を計画していると語った。しかし、ニューラルネットワーク技術とスモールデータの組み合わせにめどが立たず、CTとMRIのタグデータ不足もあって現時点では困難だという。スモールデータをビッグデータに転化する研究には一定の時間を費やしているため、2~3年以内に技術的課題を解決し、同分野では世界をリードしたいと述べた。

AI会話ロボ、三軍医院も採用

 張総経理は、同社のAI会話ロボットが、台北市立万芳医院、馬偕紀念医院(マッケイ・メモリアル病院)に続いて三軍総医院にも採用されたことも明らかにした。会話アプリ、LINEのプラットフォームを通じて、患者に適切な診療科を案内したり、服薬状況の追跡管理サービスを提供する。

 張総経理はかつてグーグルで中国の研究部門のトップを務めたAIの専門家だ。現在HTC健康医療事業部で30人から成るAI部隊を指揮しており、将来はHTCのAIサービスを医療以外の分野にも展開することを視野に入れている。