鴻海精密工業が10日発表した８月連結売上高は、前月比0.3%増、前年同月比25.25%増の3,967億8,500万台湾元（約１兆4,000億円）で、８月として過去最高を記録した。証券会社は、アップルが米国時間あす12日に発表するとみられるスマートフォン「iPhone」新製品の出荷が本格化し、年末に向けて売上高はさらに成長すると予測した。11日付工商時報などが報じた。
８月売上高の前月、前年同月に比べた伸びが大きかったのは、▽消費者向け電子製品▽通信製品▽コンピューティング製品──の順。消費者向け電子製品の伸びは、アップル向け出荷が貢献したとみられる。
証券会社の間では、鴻海は新iPhoneで▽5.8インチ有機ＥＬ（ＯＬＥＤ）パネル搭載機種の全て▽6.5インチ有機ＥＬ機種の90%▽6.1インチ液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）機種の75%──の組み立てを受注したとみられている。
アップル米国生産なら影響大
一方、トランプ米大統領が８日、アップルに対し米国への生産移管を求める発言をしたことについて、11日付工商時報は、鴻海グループはアップル向けサプライヤー上位200社のうち27社を占め、多くの中国生産拠点を抱えており、アップルが米国に生産を移管するとなれば、最も影響を受けると指摘した。
トランプ大統領の発言を受け、週明け10日の鴻海の株価は、終値が前日比3.35%下落の75.1元と、過去27カ月の最安値を記録した。
