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セブンイレブン、スマホ支払い「OPEN銭包」導入


ニュース 商業・サービス 作成日:2018年12月25日_記事番号:T00081164

セブンイレブン、スマホ支払い「OPEN銭包」導入

 コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンは24日、スマートフォンのアプリを利用する自社のモバイル決済サービス「OPEN銭包」をスタートした。ひも付けたクレジットカードによる支払いで同社のポイントサービス「オープンポイント(OPENPOINT)」をためることができ、ポイントによる値引きも可能だ。政府が2025年の電子決済普及率9割を目指す中、顧客囲い込みを狙い、小売業界で自社サービスの導入が相次いでいる。25日付工商時報などが報じた。

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 「OPEN銭包」は、同社のポイント会員向けアプリ「OPENPOINT」を「OPEN銭包」に対応するバージョンへアップグレードして利用する。国泰世華商業銀行(キャセイ・ユナイテッド・バンク)発行のクレジットカードがひも付けでき、決済はバーコード方式だ。

 オープンポイントはこれまで、同社のカード式電子マネー「icash」でしかためることができなかった。クレジットカードとひも付けた「OPEN銭包」での決済によるポイント獲得、ポイントでの割引が加わることで、同社のポイントサービスの利便性は大きく向上する。

 オープンポイントは、セブン-イレブンなどを傘下に抱える統一企業(ユニプレジデント)グループの販売拠点7,000カ所の他、▽都市交通システム(MRT)▽バス▽台湾鉄路(台鉄)──の利用でもポイントがたまる。ためたポイントは、セブン-イレブンでの商品との交換や、提携先の▽銀行▽百貨店▽航空会社──など24のサービスとのポイント交換にも利用できる。 統一グループは来年以降、傘下事業による「ポイント経済圏」構築を目指し、▽通信販売サイトの博客来、ibon mart▽ドラッグストアの康是美(コスメッド)▽統一時代百貨(ユニスタイル)▽統一多拿滋(ミスタードーナツ)──などへのオープンポイントサービス拡大を図る。

ファミマが先行

 コンビニ業界では、全家便利商店(台湾ファミリーマート)、萊爾富(ハイライフ)が自社のモバイル決済サービスを導入している。

 ファミマは17年10月、自社のモバイル決済サービス「マイファミペイ(My FamiPay)」を導入した。クレジットカードへのひも付けは20万件に上り、ファミマでのモバイル決済のうち上位3位に入る。来年3月にMy FamiPayをオンライン決済でも利用可能にする他、提携銀行を増やし、来年中にクレジットカード決済のカバー率を7割にする計画だ。

 ハイライフは18年9月に「ハイペイ(Hi Pay)」を導入し、クレジットカードひも付け件数は1万5,000件を超えた。同社は、来年第1四半期にクレジットカード決済の提携銀行を増やす他、ポイント交換サービスを▽小売り▽電子商取引(EC)▽航空会社▽銀行▽ポイント交換プラットフォーム──などに拡大する予定だ。

 市場の観測によると、OK超商(OKマート)も春節(旧正月、19年は2月5日)までに「OK Pay」を導入するようだ。

 業界関係者は、既に電子決済サービスが多く存在する中で、各社が自社サービスを展開する理由について、顧客のロイヤルティー(忠誠度)を高め、消費動向のビッグデータを集めることで、商品・販売戦略の精度を上げるためと指摘した。

百貨店や量販店も

 自社のモバイル決済サービス導入はコンビニだけでない。百貨店の新光三越百貨は今年8月、モバイル決済サービス「skm pay」を導入した。今年の周年慶(創業祭)セールでは、「skm pay」向けにオンラインで数量限定商品を予約販売し、百貨店に来る時間のない消費者を取り込んだ。

 量販店のカルフール(家楽福)は9月、「カルフールペイ(Carrefour Pay)」を導入し、わずか半月で利用額は1,000万台湾元(約3,600万円)に上った。20年にクレジットカードひも付け100万件、年間売上高80億元が目標だ。

【表】