鴻海精密工業の郭台銘（テリー・ゴウ）董事長が31日、公式フェイスブック（ＦＢ）ページを開設した。郭氏は最初の投稿で開設理由について「以前より友人から『郭台銘』名義のＦＢアカウントが数多く存在するとの話を聞いており、『本物』と『ニセ者』をはっきりさせるため」などと説明。開設後１日が経過した現在、既に同ページに「いいね！」をした人数は１万5,000人を超えている。

郭氏のＦＢページ（https://www.facebook.com/TerryGou1018/）。鴻海グループのイベントのライブ中継も行っている（フェイスブックより）

　実際にＦＢで「郭台銘」で検索すると無数のアカウントがヒットする。中には同姓同名の者もいると考えられるが、「鴻海の郭氏」の画像をプロフィール写真に使用しているものも複数存在し、ほとんどがニセのアカウントと推定される。

　ニセページの中にはフォロワーが10万人以上の「郭台銘台湾之光」や５万人を超える個人アカウントもあり、その掲載記事を郭氏本人が投稿したものと信じているユーザーもいるようだ。

　こうした状況にうんざりしたためか、郭氏は今回、自身が創設した慈善団体、永齢健康基金会を通じてＦＢページを開設。「広めるべきと考える内容を志を同じくする友人に伝えていきたい」と表明した。ただ、郭氏は多忙を極めるため、同ページは専任の担当者が管理するという。

　なお、郭氏のＦＢページ開設についてメディアからは、鴻海グループがハイテクサービス業へと事業転換を進める上で消費者に向けた広報プラットフォームが必要となったため、さらに来年１月に実施される総統・立法委員選挙に向けて支持する政治家を応援するためとの見方も出ている。

　ちなみに２件目の投稿で郭氏は、あす２日に予定される鴻海の忘年会（尾牙）について言及し、「毎年、（中華民国）国歌の斉唱を最も重視している」と愛国者ぶりをアピール。今年は国旗をデザインした帽子を製作し、尾牙の参加者に配布すると表明した。

　今後、同ページは偽物を排除するだけでなく、郭氏の生の考えを知ることができる貴重な情報源となりそうだ。