ニュース 社会 作成日:2019年2月11日_記事番号:T00081893
台南市の伝統ある寺院「南鯤鯓代天府」では毎年の春節(旧正月、2019年は2月5日)に「国運占い」を行うことで知られるが、今年は創建以来358年で初めて「結果なし」となり、話題を集めている。
国運占いは信徒ら約500人が見守る中で行われた(5日=中央社)
1662年に創建された南鯤鯓代天府は、道教の神「王爺」を主神とし、台湾全土の「王爺廟」の総本山と称されるが、他の道教の神や、観世音菩薩など仏教の神々も数多く祭った寺院だ。
その南鯤鯓代天府で行われる春節恒例の国運占いは、円柱状の桶の中に入った60本の棒と台湾の道教廟(びょう)でよく見かける、筊杯(道教の占いに用いられる2つ1組になった赤い三日月状の木板)を使った「ポエ占い」を組み合わせた形式で実施される。
ポエ占いとは、占いを行う者がまず、占いたいことを「イエス/ノー」で答えられる形で設定し、筊杯を投げる。筊杯は一方が凸面、もう一方が平面状になっているが、投げた結果、一方が凸面、もう一方が平面を向いた場合、神様の答えは「イエス(聖筊)」。両方とも凸面の場合は「ノー(陰筊)」。両方とも平面の場合は「無効(笑筊)」となる。
300年以上にわたり続けられてきた南鯤鯓代天府で国運占いは、15年に「武則天(中国史上唯一の女帝)が玉座に就く」との結果を出し、翌年の総統選挙で蔡英文氏が当選したことで大きな注目を集めた。ただ、ここ2年は良くない占い結果が続き、市民から不満の声も上がっており、南鯤鯓代天府の代表者は「悪い結果が出ると恨まれるため、今年は国運占いを中止するつもりだったが、王爺におうかがいを立てた結果、実施することに決まった」と説明した。
今年の国運占いは5日午前11時から行われ、しきたりに従って桶の中から占いの棒を1本引き、ポエ占いでその結果が正しいかどうかを神様に問う、といった作業を続けていった。しかし筊杯を投げても投げても「聖筊」が出ない。とうとう最後の1本になった際、会場には重々しい空気が立ち込めたが、60本目もやはり「笑筊」となり、同寺院創建以来初めての「結果なし」という珍しいケースとなった。ちなみに「結果なし」となる確率は1万分の3.3だそうだ。
この結果が議論を呼ぶ中、蔡総統は同日、フェイスブック(FB)上に「国家の運勢は全国民によって決まる。新たな1年迎え、心を一つにして勇敢に進めば、台湾は必ず幸運に向かう」とコメントした。
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