今年下半期、台湾の発光ダイオード(LED)メーカーにとって市場環境はさらに厳しさを増しそうだ。LED価格は第2四半期の2割下落に続き、第3四半期も引き続き8~10%下落する見通し。また、台湾メーカーが進出している低価格ノート型パソコン(ノートPC)用バックライトモジュール向け市場に、世界最大手の日亜化学工業が9月から参入し、台湾メーカーと同水準のオファー価格を提示するとみられるためだ。1日付経済日報が報じた。
Q3価格、8~10%下落
LEDチップのパッケージ方法には、プリント基板の実装面に対して水平に光を射出し、ノートPCのバックライトモジュールに適したサイドビュータイプと、垂直方向に光を射出し、薄型化が困難なトップビュータイプがある。晶元光電(エピスター)、億光電子(エバーライト・エレクトロニクス)などの域内LEDメーカーにとって、日亜化学などが特許を保有するサイドビュータイプは市場参入の余地がなく、昨年華碩電脳(ASUS)が発売したEee PCなど、低価格ノート市場の商機をようやくとらえた段階だという。
日亜化学は9月にトップビュータイプの型番号3014を、年末に型番号3020を発売する予定だ。低価格PC市場の商機に着目し積極展開を決めたもので、大量供給と大幅な値下げが行われるもようだ。 低価格PC市場へは、Eee PCに続き、宏碁(エイサー)、ヒューレット・パッカード(HP)、デルなども参入している。今年通年の市場規模は、1,000万~1,200万台の見通しだ。
パネルメーカー、利益増に期待
一方、LEDなど部品の値下がりで、パネルメーカーは利益拡大の恩恵を受けそうだ。第3四半期に予想される部品の値下げ幅は、▽冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、4~6%▽光学フィルム、16~20%▽ドライバIC、10~15%──の見通しだ。