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牛肉摂取量が2倍に、腸がん増加の原因か


ニュース 社会 作成日:2019年11月20日_記事番号:T00086984

牛肉摂取量が2倍に、腸がん増加の原因か

 衛生福利部国民健康署(衛福部国健署)の統計によると、台湾での大腸がんや小腸がんを含む「腸がん」の新規患者数は2005年の約1万人から、16年は2万人弱とほぼ2倍に急増した。これについて医師は、肉の摂取量の増加に関連性があると指摘した。特に牛肉の摂取量は過去17年で2倍近くに増加しており、腸がんの罹患(りかん)者増の要因となっているようだ。

 国健署の統計では、1995年の腸がんの新規患者数は4,217人だった。05年に9,946人に増加し、初めて各種がんの中で最多となった。16年に腸がんの新規患者数は1万9,279人と、95年の約4.5倍、05年の約2倍に増加した。

 一方、国際連合食糧農業機関(FAO)の統計によると、13年の台湾人1人当たり肉摂取量は年間平均約89キログラムと、欧米諸国を下回ったものの、中国の76.23キロ、日本の67.38キロを大きく上回った。行政院農業委員会(農委会)の統計によれば、台湾での17年の1人当たり牛肉摂取量は5.88キロで、01年の3.09キロから90%増加した。

 台湾大学医学院附設医院(台大医院)大腸直腸科の黄約翰医師は、調理、消化の過程で発がん性物資が生成される「赤肉」(牛肉や豚肉など哺乳類の肉、鶏肉は除く)の摂取量と腸がんには高い関連性があると指摘した。世界保健機関(WHO)の研究でも、赤肉の摂取量が1日100グラム増加すると腸がんのリスクが17%上昇することが分かっている。

 一方、台湾癌症基金会がサラリーパーソン3,000人を対象に実施した調査によると、▽ソフトウエアエンジニア▽マーケティング・企画担当者▽公務員▽医療関係者▽建設作業員──の業種・職種が大腸がんへの罹患リスクが高いことが明らかとなった。

 同基金会の頼基銘執行長は、共通点として▽勤務時間が長い▽睡眠不足▽外食が多い──などを挙げ、腸にポリープができやすいと分析した。がん予防策として▽週に3回、心拍数が130に達する程度の運動を30分間行う▽男性は毎日5種の野菜・4種の果物、女性は4種の野菜・3種の果物を食べる──ことを推奨している。

 腸がんはステージ2までに発見された場合、5年生存率が80~90%に上るため、医師は定期的に健康診断を受けることが重要と指摘した。