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冬季の憂鬱、起床後30分の日光浴で改善


ニュース 社会 作成日:2019年11月29日_記事番号:T00087167

冬季の憂鬱、起床後30分の日光浴で改善

 毎年冬になると、憂鬱(ゆううつ)な気分になる、寝ても寝足りない、外出する気力が起こらないと感じることはないだろうか。低緯度の台湾でも冬に弱い人は多く、中にはうつ症状が悪化してしまう人もいる。専門家は、起床したらまず30分間太陽を浴びることで、概日リズムに関わるホルモン、メラトニンの分泌を抑制し、日中すっきりとした気分で活動できると勧める。

 37歳の阿芳(仮名)さんは、冬になると食欲がわかず、食事は1日1回、それも飲食店の宅配デリバリーサービスの注文で済ませてしまうのが悩みだ。阿芳さんにはもともとうつ傾向があるが、精神科の楊聡財医師は、こうした症状は、冬は日照時間が短く太陽光を浴びる機会が減るため、季節的な感情起伏が疾患となって現れたものと分析した。

 冬季のうつ発症は20歳前後の若者、女性に多い。楊医師は、冬は薄暗く、物寂しい印象を与えるものの、季節的な感情起伏の具体的なプロセスは分かっていないと説明。ただ、太陽の光が生理面、心理面で重要な役割を果たしているのは確かで、台湾では春や夏に躁(そう)病が多く、冬にうつ病が多くなる傾向にあるという。

 日照時間が短くなると、睡眠を促進するメラトニン分泌が増加するのに対し、メラトニンの原料ともなるセロトニンの合成が抑制されて気力が減退。感情の谷間となり、何事にも身が入らなくなってしまう。

 新光呉火獅紀念医院(新光医院)睡眠センターの臨床心理師、李偉康氏は、太陽光の明るさはろうそく10万~12万本分あり、視神経を通じて脳の松果体に刺激が伝達されることで、脳が昼と認識し、メラトニンの分泌を抑制すると指摘。曇りの日でも1,000~2,000本分と、室内の100~200本分を大きく上回るため、冬も起床後に屋外で30分間太陽の光を浴びることで、頭がさえると勧める。夕方はサングラスを掛け、メラトニンの分泌を促進することで寝入りが良くなるという。

 楊医師は一方、憂鬱を運動による刺激で改善できると勧める。運動でセロトニン、神経伝達物質のドーパミン、ノルアドレナリン、脳内麻薬のエンドルフィンなどの分泌が増え、睡眠にも活動にも役立つと指摘した。

 心の健康のため、十分な睡眠時間確保と、規則正しい生活、そして、必要な際には精神科医や睡眠治療施設の助けを借りることも忘れないでほしい。