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池上の米作りの達人、日本のコンクールで金賞


ニュース 社会 作成日:2019年12月3日_記事番号:T00087214

池上の米作りの達人、日本のコンクールで金賞

 米の名産地として有名な台東県池上郷の農家、謝美国さん(87)の育てた米が、日本で開催された世界最大規模の品評会で金賞第2位に輝いた。日本人以外で初めての受賞だ。

/date/2019/12/03/18kakomi_2.jpg謝さん(右)は受賞に対し、「多くの人が支持してくれたことで、自分の米作りに自信が持てた」とコメントした(2日=中央社)

 謝さんは米作りに携わって約70年。1959年に中南部を襲った大水害で彰化県から池上郷に移住した。米作りの達人として有名だが、謝さん自身は特別な手入れはしておらず、適切に肥料を与え、除草することがコツだと語った。

 謝さんはこれまで、米の品評会などへの出品はしてこなかった。それは、池上最大の廟、玉清宮の主任委員を務めているほど敬虔(けいけん)な信徒で、俗世の争いごとからなるべく離れていたかったためだ。

 ただ、今年は池上農会(農協)たっての誘いを断れず、8月に開催された台東県の品評会の有機栽培部門に出品した。すると、過去最高の90.88点でグランプリを受賞。17万台湾元(約61万円)の賞金を獲得した。さらに台東県代表として参加した台湾全土の品評会でも首位となり、賞金30万元を手にした。

 快進撃は続く。11月30日、12月1日に千葉県木更津市で行われた「第21回米・食味分析鑑定コンクール」に、池上農会の職員が謝さんに内緒で、謝さんの作った「高雄147号」を出品した。この品評会は、米の「白さ」や「つや」といった外観、香り、味、口当たり、粘り、柔らかさなどの項目の平均値から、米の食味を総合的に評価する食味官能試験に重点を置いたもので、世界最大規模を誇る。今回は日本や台湾の他、中国、米国、タイから5,000件を超える参加があった。

 謝さんの米は1次審査、2次審査を経て本大会に駒を進め、8人の審査員から高評価を獲得。金賞第2位を受賞した。日本人以外での金賞受賞は、同会が始まって以来のことだ。

 受賞を知らせに訪れた許瑞貴・台東県政府農業処長から、世界規模の大会に自身の作った米が出品されていたことを初めて知らされた謝さんは、きつねにつままれたような面持ちだったそうだ。

 日本米に勝るとも劣らない品質の池上米を、皆さんも食べに行ってはいかがだろうか。