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台北駅の人手不足深刻、窓口に長蛇の列


ニュース 社会 作成日:2019年12月6日_記事番号:T00087289

台北駅の人手不足深刻、窓口に長蛇の列

 台湾鉄路(台鉄)職員の労働組合、台湾鉄路産業工会(鉄産会)は5日記者会見を開き、年間に延べ4,400万人以上が利用する台北駅で、駅員数が大幅に不足しており、きっぷ売り場に長蛇の列が発生するなど、乗客へのサービスに影響が出ていると訴えた。

/date/2019/12/06/20rail_2.jpg王理事長(中)は、これでは台北駅利用者のニーズに応えられないと訴えた(5日=中央社)

 台北駅サービスセンターに勤務する鉄産会の王傑理事長は、台北駅の駅員数は2008年に188人だったが、今年161人まで減少していると指摘した。16年末に施行された「一例一休(週休2日制)」を考慮すると、適性な駅員数は215人で、54人も不足しており、「トイレに行ったり、ご飯を食べる時間もない」と述べた。

 王理事長によると、台北駅コンコースのきっぷ売り場には12の販売窓口が設置されているが、常時開いているのはわずか4カ所で、スタッフの交代時間には2カ所しか稼働しない場合もあり、長蛇の列ができるそうだ。

 同駅で改札係を務める駅員の1人は、きっぷを切ったり、回収する業務の他、障害者のきっぷ購入を手伝ったり、ホームまで連れて行ったりする役割も果たしているため、改札口に誰もいない時間が生じ、まるで「無賃乗車天国」と指摘した。

 台北駅の利用者から寄せられた苦情は、今年1~10月累計で352件と、同規模の近隣駅の3~5倍に上る。内容は▽きっぷ販売窓口が少な過ぎる▽間違ったきっぷを売られた▽自動券売機が故障している──など、人手不足が要因とみられるものが並ぶ。

 監督機関の交通部台湾鉄路管理局(台鉄局)は、記者会見同日午前はきっぷ販売窓口のうち6カ所が稼働していたと指摘した。また、10月末に台北駅に21人の増員を手配したと説明した。

 これに対し鉄産会は、増員は離職した駅員の補充にすぎないと反論し、速やかに215人体制を実現するよう要求した。人手不足でサービスの質が落ち、乗客から怒鳴られることも多いという声もある。職員が働きやすく、乗客が気持ちよく利用できる台北駅になればいいのだが。