ニュース 社会 作成日:2019年12月11日_記事番号:T00087367
1983年に漁船の乗組員として遠洋へ出掛けた台東出身の男性が、父親とのトラブルから西アフリカの小島に取り残され、36年にわたり同地で暮らすことになった。3年前、島を訪れた同郷人に遭遇したことがきっかけとなり、このほど念願の帰郷を果たす運びとなった。
妹の秀蘭さん(右)と移民署員(左)のサポートで、烱明さんは年末か来年初めにも家族との再会を果たす(10日=中央社)
64年に台東市豊里地区で原住民アミ族の家族に8人兄弟の次男として生まれた陳烱明さんは、小学校卒業後、台北市のレストランで働いていたが、17歳で父親に誘われて漁船に乗り込み、遠洋漁業に従事するようになった。
遠洋に出ていた際に父親とけんかになり、烱明さんは船内の冷凍倉庫に閉じ込められることに。怒りの収まらない父親は、身分証明書を全て取り上げた上で西アフリカ沖に位置するスペイン領カナリア諸島の一つ、ランサローテ島に息子を残して船を出港させた。
その後、冷静になった父親は息子を置いてきたことを後悔し、島に探しに戻ったが、今度は烱明さんの怒りが収まらず、身を隠していたため見つけることができなかった。
父親は台湾に戻った後も自分のしたことを悔い続け、船会社と27年契約を結び、何度もランサローテ島を訪れて息子を探したが、不運にも再会は果たせず、ついには帰らぬ人となった。
一方の烱明さんは身一つで取り残されたため、現地で何とか生きていく他なかった。ランサローテ島に根を下ろし、妻を得て子供をもうけた。長い現地生活で中国語や部族語はほぼ忘れてしまったが、故郷や家族のことはずっと頭から離れることがなかった。
3年ほど前、ランサローテ島の中心地、アレシフェで台東県出身の漁船乗組員に出会った。この人物に経緯を話し、家族を捜してほしいと依頼した。
烱明さんの家族は、もともと住んでいた家が火事に遭い、離散していた。ただ、妹の陳秀蘭さんが同じ携帯電話番号を使い続けていたことが幸いし、かつての隣人を通じて連絡が付き、国際電話越しに再会を果たした。
秀蘭さんは、パスポートを持たない兄のために奔走。移民署員の協力を得て、烱明さんは台湾の身分証を取得して近く帰郷が実現することとなった。36年ぶりの台湾は、彼の目にどのように映るのだろうか。
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