化学繊維メーカー、新光合成繊維（新繊）は12日、ベトナム国営の石油事業最大手、ペトロベトナム（ＰＶＮ）傘下の同業、ベトナム・ペトロケミカル＆ファイバー（VNPOLY）と、ベトナムでの生産、販売の提携に関する覚書（ＭＯＵ）を締結した。新繊は来年にも現地に子会社を設立し、ベトナム進出を果たすことになる。13日付工商時報が報じた。
羅総経理（左）は、同社の技術を導入することでVNPOLYの生産量拡大、品質向上を図ると述べた（12日＝中央社）
両社は、当初はポリエステル繊維製品での協力を行い、将来的にポリエステルプラスチック製品にも拡大する計画だ。VNPOLYは生産設備と労働力を提供して生産を行い、新繊は技術導入、マーケティング、販路開拓を担う。
新繊の羅時銓総経理は今回の提携について、自社で工場を設置せずにベトナムでの生産能力を確保できると説明した。今後の市場の展望次第では、VNPOLY所有の遊休地に自社工場を設置する可能性もあると示唆した。
VNPOLYはベトナム初の国営ポリエステル合成繊維メーカーで、2015、16年にハノイで生産を開始。ポリエステル短繊維綿、半延伸糸（ＰＯＹ）、延伸加工糸（ＤＴＹ）を主に生産しており、日産能力は500トン。ただ、これまでの稼働率は高くなく、ＤＴＹの日産能力は100～200トンにとどまっている。
