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生活脅かす陽明山のサル、ペイントボール銃で対抗


ニュース 社会 作成日:2019年12月19日_記事番号:T00087515

生活脅かす陽明山のサル、ペイントボール銃で対抗

 台北市北部の陽明山には約500匹のタイワンザルが生息しているが、観光客などがエサを与えることから周辺の人里に姿を現し、作物を荒らすなどのトラブルが絶えない。このため住民たちが陽明山国家公園管理処から威嚇用のペイントボール銃の配布を受けて、サルを追い払うためのパトロール隊を結成した。

 同処によると、かつて陽明山におけるサルの生息数はそれほど多くなく、人間に近づくケースはほとんど見られなかった。しかし、群が大きくなるにつれて、農地に侵入するようになり、近年では観光客によるエサやり行為が原因で、ますます人間を恐れなくなっている。

 同処の調査では、道路に出たり人間と接するのは温泉のある馬槽地区や観光客の集まる陽明公園などに集中しており、こうしたエリアにはサルへのエサやり行為は違法であることを知らせる看板を設置している。違反すれば3,000台湾元(約1万1,000円)以下の罰金処分を受ける。

 しかし陽明山のふもとに位置する北投区湖山里では、ずいぶん以前からサルが姿を現すようになっており、田畑が荒らされるだけでなく、住宅に侵入されたり、住民がかまれて負傷するという被害も出ている。

 こうした被害が出るたびに市民は同処に通報しているが、係員が駆け付ける頃にはサルは姿を消していることが多く、ほとんど効果はない。このため同処は同地区に、塗料が入ったペイントボールと呼ばれる小さな弾を発射する銃6丁を配備することを決めた。

 同処によると、ペイントボール銃は発射時に大きな音が出るが、サルに当たっても若干の痛みを感じる程度で負傷することはない。また弾に含まれる塗料も水溶性で環境への影響も小さいという。

 住民たちは1カ月ほど前からこの銃を使用して同処巡査員と共にパトロールを実施している。しかし、一定の効き目が見られたのは最初だけで、学習能力が高いサルは早くもペイントボール銃に慣れ始めており、効果が薄れているという。台北市動物保護処(動保処)は、エサやり行為を減らすことが最も有効な被害防止策と訴えている。