ニュース その他分野 作成日:2019年12月19日_記事番号:T00087517
中央研究院(中研院)経済研究所は18日、2020年の台湾経済の展望について「外冷内温」との見通しを示した。米中貿易戦争による製造業への転注、台商(海外で事業展開する台湾系企業)によるUターン投資、資金回流によって内需は引き続き安定成長が見込める一方、輸出は世界の貿易紛争や中国の内需減退の影響を受けるとみている。域内総生産(GDP)成長率は前年比0.04ポイント下落の2.58%と、ほぼ19年並みを見込む。19日付蘋果日報などが報じた。
中研院は19年のGDP成長率予測値を2.62%へと、7月時点の予測値から0.61ポイント上方修正した。転注、Uターン投資、半導体業界の設備投資がけん引し、第3四半期の実質成長率は2.99%に達した。19年のGDP成長率が20年を上回るのは、19年は比較対象の前年の数値が低い一方、20年は19年の高い数値との比較となるためと説明した。
なお、20年成長率の予測範囲は1.47~3.81%で、外部の不確定要素によって左右される面が大きいとの見方だ。仮に米中貿易交渉と台商による台湾への長期投資が順調に進んだ場合、成長率は3.81%に達する可能性が3割以上あるとみている。
固定資産投資、高水準が継続
内需については、個人消費の成長率を19年は1.99%、20年は2.01%と見込む。固定資産投資成長率は19年7.63%、20年4.11%と、来年は前年比で下落するものの依然4%以上の高水準を見込む。このうち民間投資は19年7.42%、20年3.67%の予測で、今年の成長率を押し上げた台商のUターン投資は20年第1四半期も好調となるものの、長く継続することはないとみている。政府による投資は、大型インフラ整備計画「前瞻基礎建設計画」やグリーンエネルギー関連の公共投資の推進で、19年9.71%、20年3.97%の成長を予測した。
輸出、来年も楽観視できず
輸出については、現在輸出受注が12カ月連続で前年割れとなっている状況で、来年も楽観視できないとみている。商品サービス輸出は19年0.73%、20年2.56%の予測。商品サービス輸入は19年のマイナス0.31%から20年2.52%への改善を見込む。
軒並み2%台成長を予測
中研院以外の台湾の経済関連官庁・研究機関も軒並み、20年GDP成長率を2%台と見込んでいる。行政院主計総処の2.72%が最も高く、この他、▽台湾綜合研究院(台綜院)、2.63%▽台湾経済研究院(台経院、TIER)、2.45%▽元大宝華綜合経済研究院、2.2%──との予測だ。
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