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ウィストロン、ベトナムで20年ノートPC生産へ


ニュース 電子 作成日:2019年12月20日_記事番号:T00087532

ウィストロン、ベトナムで20年ノートPC生産へ

 電子機器受託生産大手の緯創資通(ウィストロン)は19日、ベトナム完全子会社、ウィストロン・インフォコム(ベトナム)の設立を董事会で承認した。米中貿易戦争を受けた中国からの生産移転の一環で、当初はノートパソコンを主に生産する。設立資金は4,500万米ドル、工場・設備取得費用は5兆4,291億ドン(約256億円)。2020年下半期の工場完成、20年下半期~21年上半期の生産開始を目指す。同社にとって2番目に規模の大きいノートPC生産拠点となる。20日付経済日報などが報じた。

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 同社は11月下旬、ベトナム北部ハナム省のドンバン3工業団地で、7万坪余りの用地使用権を約3,374億ドンで取得すると発表していた。交通の便と、中国の情報技術(IT)サプライチェーンを活用できる利点から北部での生産を選択した。

 証券会社は、ウィストロンは米国系企業や米国に製品を販売する顧客から、ベトナムでの生産を求められていたと指摘した。労働力や物流の条件が良いため、20~21年も安定した出荷を継続できるとみている。

 同社は、フィリピンのスービック湾工場でもノートPCの生産移転を進めている。現在は、管理部門やエンジニアなど、ベトナムとフィリピンへの駐在人員の募集を強化している。

 証券会社は同社の来年見通しについて、総出荷台数は前年比数パーセント成長にとどまるが、粗利益率の高いビジネスモデルの比率が増えるとして、ノートPC事業の売上高は5%以内で増加するとの予測を示した。製品構成の改善、新規生産能力の稼働で、利益も増加するとみている。

生産地を分散

 同社は米中貿易戦争によって他の製品でも生産拠点の分散を進めており、世界に25拠点を有している。スマートフォンやスマート端末は、中国の昆山工場(江蘇省)の他、マレーシアやインドを生産拠点としている。サーバーは、中国以外にも、メキシコやチェコで生産している他、一部は台湾でも生産している。

 同社の林憲銘董事長は先ごろ、電子業の移転先は東南アジアが主体となるも、特定の地域や国に集中しないと予測。昆山や重慶のような産業集積は見られなくなるが、東南アジア全体を一つの地域と考えれば、サプライチェーンと生産能力の展開で依然強みがあると指摘していた。

【表】