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高齢出産の比率、18年は初の3割突破


ニュース 社会 作成日:2019年12月24日_記事番号:T00087587

高齢出産の比率、18年は初の3割突破

 内政部の統計によると、2018年に出産した台湾人女性のうち、高齢出産に当たる35歳以上の比率が30.12%と過去5年間で約7ポイント上昇し、初めて3割を突破した。これを受けて衛生福利部国民健康署(衛福部国健署)は、妊婦の年齢が高いほど、妊娠合併症や新生児が低体重で生まれるリスクが高まるため、孕婦手冊(母子手帳)の記載を基に定期的な検査を受けるよう呼び掛けている。

 同統計では、昨年出産した女性の平均年齢は32.03歳、初産の女性の平均年齢は30.9歳だった。また昨年、台湾で生まれた子供の数(出生数)は約18万人と、15年の約21万人から3年で3万人も減少した。

 こうした状況について台湾婦産科医学会の黄閔照理事長は、台湾の発展に伴い女性が教育を受ける期間が長くなり、かつ卒業後に約5割が就職しており、自然と出産の時期は遅くなると指摘。台湾において高齢出産の比率が3割を突破する時期は予想より早く到来したと語った。

 このため黄理事長は政府に対し、女性社員の妊娠に応じて従業員を増員したり、託児施設を整備した企業に減税措置を講じるなど、女性が子供を産みやすい雰囲気を醸成するよう提言している。

 また、昨年、35歳以上の妊婦が低出生体重児(2,500グラム以下)を出産した比率は11.65%と、20~34歳の妊婦の8.84%より高く、死産の比率も35歳以上では1.56%と20~34歳の0.99%を上回った。

 国健署の陳麗娟簡任技正は米国産婦人科学会(ACOG)の情報を基に、妊婦の年齢が高くなれば流産、早産、死産の可能性が高くなる他、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった妊娠合併症を発症するリスクも増大し、新生児が低体重で生まれたり、染色体異常など先天性疾患の発生率も高まると指摘した。その上で陳簡任技正は、新生児を安全に出産するため、政府補助が受けられる10度の妊婦健診や1度の超音波検査、衛生指導を確実に利用するよう訴えた。