ニュース 社会 作成日:2019年12月26日_記事番号:T00087637
台湾海洋大学(基隆市)は25日、卵から孵化(ふか)した伊勢エビの幼生に同大の研究チームが開発した人工飼料を与え、2カ月以上、飼育することに成功したと発表した。張清風大学長は、伊勢エビの人工飼料開発は世界で初めてで、5年以内に完全養殖の実現を目指すと表明した。
人工飼料の開発成果を発表する陳歴歴教授(右)。馬祖で養殖伊勢エビをつまみに特産のコーリャン酒を飲める日も遠くないかもしれない(25日=中央社)
同大海洋生物研究所の陳歴歴教授によると、伊勢エビは経済価値が高く、世界全体の年産額は60億米ドルに上る。ただ、人工的に育てることが難しく、年間水揚げ量約30万トンの99%以上が天然物であるため、生息数は減少の一途をたどっているという。
なお卵から孵化したばかりの伊勢エビは「フィロソーマ幼生」と呼ばれ、木の葉のような透明な体に長い足が付いた親とは似ても似つかない形態で、6~14カ月もの間、海中を漂う。その間の移動距離は数百キロメートルにも達する他、10回以上も脱皮を繰り返すという。
研究チームは、ケブカイセエビのフィロソーマ幼生がクラゲに取り付き、動物性タンパク質と脂肪を摂取することを発見。そこからクラゲに似た浮力を持つゲル状の飼料を開発し、これに伊勢エビの幼生が取り付けるようにしたところ、2カ月以上の期間、育てることに成功した。
同大は現在、行政院農業委員会(農委会)漁業署の支援を受けて馬祖列島の連江県政府と共同で生息数を回復させる研究プロジェクトを進めている。かつて海に入れば素手で伊勢エビが採れるほど豊富な生息数を誇り、「伊勢エビのふるさと」と呼ばれた馬祖列島北部の東引郷で、国共内戦時代に築かれた地下埠頭(ふとう)「北海坑道」を養殖エリアに設定。ここに卵から育てられた伊勢エビの幼生を移して成魚まで飼育する完全養殖を実現して、新たな産業に発展させたい考えだ。
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