台湾では春節（旧正月、2020年は１月25日）を今月末に控え、企業による忘年会（尾牙）シーズンが間もなくスタートする。こうした尾牙では例年、大手企業が有名芸能人を招いたり、自動車など豪華賞品や高額賞金が当たる抽選を実施。特に電子機器受託メーカー５社、▽広達電脳（クアンタ・コンピューター）▽仁宝電脳工業（コンパル・エレクトロニクス）▽和碩聯合科技（ペガトロン）▽緯創資通（ウィストロン）▽英業達（インベンテック）── は、本業と同様、尾牙の内容でも熾烈（しれつ）な競争を繰り広げている。

　今年は比較的早い時期に春節を迎えることから、クアンタは既に昨年12月18日に尾牙を開催。830テーブルが用意され、従業員8,300人が出席する過去最大規模の忘年会となった他、抽選の賞金は１等30万台湾元（約108万円）、総額では4,000万元に達した。

　一方、コンパルは今月16日、ペガトロンは17日に開催予定で、両社とも昨年は賞品・賞金の総額が１億元を上回っており、今年も大きな注目を集めている。ウィストロンとインベンテックも１等賞品の20万元商品券や現金を含め、総額1,000万元規模の抽選を実施する。

　鴻海精密工業は今月22日に尾牙を開催する。同社は昨年、従業員の家族を対象に賞金10万元が350人に当たる抽選を実施、賞金総額は3,500万元に上ったが、今年はこれを上回ると予想されている。

　ハイテク業界以外では、昨年の業績が好調だった金融業界で豪華な賞品・賞金の提供が見込まれている。特に19日に尾牙を開催する兆豊国際商業銀行（メガ・インターナショナル・コマーシャル・バンク）は賞品の自動車を昨年の３台から５台に増やすなど、賞品・賞金総額が前年比４割増加する見通しだ。

　この他ユニークな例として、嘉新水泥（嘉新セメント）は、沖縄県那覇市の国際通り沿いに同社が開発し、きょう６日にオープンしたばかりの高級シティーホテル「ホテルコレクティブ」に従業員200人を３泊４日で招待して尾牙を開催する。従業員の慰安とホテル従業員の訓練を兼ねて行うことが目的だ。