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いすゞ、台中にエコトラック新工場設置へ


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2020年1月7日_記事番号:T00087728

いすゞ、台中にエコトラック新工場設置へ

 いすゞ自動車は6日、台中市神岡区の豊洲科技工業園区に低排出ガスディーゼルトラック・バス新工場を設置することで、同市政府と投資戦略提携協定を結んだ。土地取得と工場設置の投資額は40億台湾元(約144億円)。早ければ2021年秋にも稼働する予定だ。商用車市場でシェアを拡大し、業界上位2社の三菱ふそう、日野を追い掛ける。7日付工商時報などが報じた。

/date/2020/01/07/00isuzu_2.jpg合田和生いすゞ海外営業第三部長(右)は、台湾は非常に重要な海外拠点で、新工場の建設により、自社ブランドの浸透を図ると強調した(台中市政府リリースより)

 豊洲新工場は5万平方メートル。台湾市場向けのエコ仕様の小~大型のトラックとバスを生産し、最新の排ガス基準、ユーロ6に対応する。台中市政府によると、200件の雇用機会を創出する見通しだ。

 同社広報担当者はワイズニュースの取材に対し、新工場設置は既存の台中工場が手狭になったためと説明した。既存工場でもエコトラック・バスを生産しており、台湾市場に供給している。

 同社の台湾での19年新車登録台数は3,179台で、商用車市場で三菱ふそう(8,814台)、日野(7,407台)に次ぐ第3位。業界では、新工場での現地生産を通じてコストを削減し、販売価格の引き下げが図れると指摘されている。

 同業者からは、今回の大規模投資は台湾市場への供給だけでは見合わないため、輸出も視野に入れているとの観測も出ている。

エコ商用車の供給網形成へ

 広報担当者は台中市を選んだ理由について、北部や南部と一日のうちに往復できる地理上の利点があること、機械業、エコ商用車関連の材料・部品業などのサプライヤーが多いことを挙げた。

 台中市政府経済発展局の張峯源局長は、今後市政府内にワンストップ窓口を設置して工場建設に協力するとともに、水、電気、道路などのインフラ整備を行うことで、エコ商用車サプライチェーンの形成を図ると説明した。

 台中市では、車載用電子部品メーカーの車王電子と傘下の電動バス(EVバス)大手、華徳動能科技(RAC EV)が19年11月に台中港の中港加工出口区(輸出加工区)で新工場に着工。21年7月に稼働を予定している。いすゞの新工場設置と合わせて、同市での関連サプライチェーンの形成に寄与すると期待されている。