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選挙結果見届けて死去、先達3人に次期副総統が感謝


ニュース 社会 作成日:2020年1月21日_記事番号:T00088006

選挙結果見届けて死去、先達3人に次期副総統が感謝

 今月11日に行われた総統選挙では、民進党の蔡英文・頼清徳ペアが史上最多の817万票を獲得して当選したが、同党の支持基盤となっている台南市では、高齢で病気を抱えていた有権者3人が、民進党の勝利を見届けるまでは持ちこたえ、その後で亡くなっていたことが明らかとなった。

 3人のうち1人はかつて元安里(現在は合併して南廠里)の里長を務めた女性、林綉華さん(享年74)。生前は草の根で民主化運動を支援していた。今回の総統選のこともずっと気にかけていたそうで、11日に投票を済ませ、家族から開票結果を伝え聞いた後に息を引き取った。

 2人目は長年、仏教系慈善団体の仏教慈済慈善事業基金会(慈済基金会)でボランティア活動に従事した薛宏雄さん(享年不明)。選挙期間中は病気を押して同市第5選挙区(安平区、南区、中西区、東区の一部)で立法委員に当選した民進党の林俊憲氏の応援に出掛けるなど熱心な支持者だったようで、薛さんも投票を済ませ、開票結果を知った上で逝去したそうだ。

 最後の1人は1947年に起きた国民党政府による台湾住民弾圧事件「228事件」で犠牲となった検察官、王育霖氏(1919~47年)の妻、王陳仙槎さん(享年99)。高齢でしかも病気を抱えながら11日には車椅子で投票に出掛け、他の2人と同様に、家族から選挙結果を聞いた後、安心したようにこの世を去ったという。

 長く台南市長を務め、今回の総統選で次期副総統への就任が決まった頼清徳前行政院長は18日、自身のフェイスブック(FB)ページ上で亡くなった3人を弔問したと明らかにした。その上で頼氏は家族から生前のエピソードを聞き、「命の限り台湾を守ろうとしたことに感動した」と述べ、3人の支持に感謝の意を記した。