ニュース 社会 作成日:2020年3月5日_記事番号:T00088654
感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は4日、新型コロナウイルスの市中感染は長期的にみれば不可避と発言した。感染者数は42人で散発的な発生ながら、無症状の感染事例が確認されており、早めの対策が必要と指摘。世界保健機関(WHO)を参考に制定した、きょう5日にも詳細を発表する企業や集会に対するガイドラインで、1,000人以上の大型集会の開催延期などを呼び掛ける。5日付聯合報などが報じた。
陳指揮官(前中)は4日、夏には収束するとの見方について、一般のウイルスは50度以上でならなければ死滅しないと語った(4日=中央社)
陳指揮官は立法院答弁で、市中感染は不可避で、今後は感染急増を回避するため、時間との勝負だと強調した。世界70以上の国・地域に感染が広がる中、適切な予防措置を講じていなければ、ウイルスが市中に入り込んだ途端、感染者数が急増すると指摘した。
北部の病院で院内感染が発生し、感染経路が特定されていないことから、台湾でもっと早期に感染者が存在したのではという指摘について陳指揮官は、仮にそうであれば台湾の感染拡大状況はこれほど抑制できていないため、恐らく存在しないとの見方を示した。
台湾の感染者相関図。3事例の感染経路が確認できていない(衛福部フェイスブックより)
企業向けガイドライン制定
陳指揮官は、大型集会は原則、開催延期を促すと述べた。早急の開催が必要な場合は、▽参加者の渡航歴、感染者との接触歴▽会場の広さ▽参加者同士に1メートル以上の距離があるか▽通気性▽隔離場所の有無▽主催者の対策計画──についてリスク評価を行う方針だ。
これらをまとめたガイドライン「公衆集会指引」の他、従業員が長時間閉鎖空間にいる企業向けに禁止事項や注意事項を盛り込んだガイドラインを今日にも発表する。
市民生活にも
4日発表した市中での感染予防ガイドライン「社区管理維護指引」では、▽エレベーターのボタンに触った後は手を洗う▽エレベーター内で会話しない▽呼吸器症状のある人との会話はマスク着用、1メートル以上距離を取る▽室内の児童遊戯施設などの一時閉鎖──などを求めた。
市中感染拡大を防ぐため、公共交通機関でも感染対策を強化している。台湾高速鉄路(高鉄)は4日より、乗客の体温を測定する赤外線サーモグラフィーを試験導入した。台湾鉄路(台鉄)は台北駅などの主要駅に導入する。
《新型肺炎》企業向け厳重特殊伝染性肺炎(COVID-19)における持続的な運営ガイドライン ※2020年3月5日公布
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