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《新型肺炎》感染ピークはこれから、生産活動が半年停滞も(トップニュース)


ニュース その他分野 作成日:2020年3月6日_記事番号:T00088680

《新型肺炎》感染ピークはこれから、生産活動が半年停滞も(トップニュース)

 感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は5日の立法院での質疑で、新型コロナウイルス感染拡大が続く世界各地との往来管理強化で、今後台湾で起こり得る第2の感染流行ピークを防ぎ、不可避とされる市中感染の規模最小化を目指すと答弁した。企業に対しては同日、分散勤務など対応策をガイドラインで示した。市中感染が広範囲で持続する「市中伝播(でんぱ)」の段階に入った場合、生産活動への影響は2カ月から半年続く可能性があるとし、混乱長期化の場合の事業継続に備えた態勢構築を企業に促している。6日付聯合報が報じた。

/date/2020/03/06/00top_2.jpg陳指揮官(前)。新型コロナウイルス対策と景気対策を盛り込んだ特別予算案の審議が、▽財政▽内政▽経済▽教育・文化▽交通▽社会福利・衛生環境──の各委員会連席で行われた(5日=中央社)

 陳指揮官は、欧州や米国との往来も含め、海外との境界管理、水際対策を強化していく方針を示した。世界的な感染流行のピークはこれからで、各大陸でのピーク時期は異なる見通しのため、移り変わるピーク地域から継続的に感染者の流入を阻止しなければ、台湾での第2のピークにつながるとみている。

 企業向けのガイドラインでは、現段階で▽従業員の健康管理強化▽複数地勤務・テレワークなどバックアップ計画の策定▽事業継続計画(BCP)の策定と訓練──などが推奨されている。「市中伝播」段階のリスクとして、▽集団感染による多数の従業員の隔離▽事業所の一時閉鎖▽交通機関の減便・運行停止や渡航警戒情報による出張や見本市出展の中止▽原材料の不足▽生産停滞による違約金や長期的な失注▽物流停滞による出荷不能▽水・電気・ガソリン・空調などインフラ供給の不安定化▽融資の返済不能──などが挙げられるとして、対応策定を促している。

 陳指揮官は、医療機関の負担削減のため、呼吸器に急性症状がある従業員に診断書提出を求めることは控えるよう要請した。発熱や呼吸器に急性症状がある場合は、解熱剤を服用しないでも体温上昇や症状が見られなくなってから、24時間以上間隔を開けてから職場復帰させることや、家族が感染した場合の看病ができるように柔軟性のある休暇規定運用を促している。

大型活動、一律禁止は見送り

 一方、大型活動(参加者1,000人以上)の開催については延期を促すものの、一律の禁止は見送った。主催者に対して、開催の必要性を▽参加者情報の事前把握▽参加者の滞在場所の固定の有無▽参加者間の距離▽手の衛生管理とマスク着用措置の実施可能性▽活動の継続時間▽活動場所の通気性・換気状況──の6個のリスク評価基準を基に評価するよう求め、リスクが高い場合は延期や中止を、開催が必要と判断した場合は主催者に感染防止対処計画の策定を求める。大型活動向けのガイドラインでは、参加者同士が1メートル以上の距離を保つ措置実施を促すが、参加者やスタッフに全面的にマスク着用を求めることは推奨しない。スタッフが、呼吸器症状がある参加者と頻繁に接触する場合や人の多い密閉空間で仕事をする場合には、マスク着用を勧める。

 陳指揮官は、現段階では主催者の主体的な判断に委ね、判断基準の明確化が進むことを促した上で、感染状況が深刻化した段階ではより厳格な規定を導入するとの方針を示した。

プロ野球新シーズン、開催へ

 プロ野球リーグ、中華職業棒球大聯盟(CPBL)の馮勝賢秘書長は同日、28日に開幕する新シーズンは、通常通り観客を入れて開催すると表明した。衛福部のガイドラインに従った感染防止対策を実施する。

 陳指揮官はこれに対し、事前に来場者の状態を把握するのは困難だが、通気性が確保された開放空間で、来場者の滞在場所が固定されており、手の衛生管理とマスク着用措置は実施可能との見解を示した。


《新型肺炎》企業向け厳重特殊伝染性肺炎(COVID-19)における持続的な運営ガイドライン ※2020年3月5日公布
https://www.ys-consulting.com.tw/labor/88701.html