ニュース 社会 作成日:2020年3月30日_記事番号:T00089142
台北市立動物園でかつてカメの人工孵化(ふか)に携わった飼育員が、多くの卵の殻が破損するという事態に直面した際、たまたま目に入ったビニールテープで傷ついた部分を貼り合わせたところ、思いがけず中の胚は成長を続け、無事、孵化に成功した。この経験を基に、鳥類や爬虫(はちゅう)類など卵を産む飼育動物が産卵経験が乏しく、誤って卵を傷つけてしまう事態にたびたび遭遇する飼育員が、卵の補修技術を磨き、多くの命をつなぎ留めている。
飼育員の技術と愛情により、ケヅメリクガメの赤ちゃんが無事に孵化した(台北市立動物園リリースより)
同動物園は卵の破損箇所を完全に覆い、水分の過度な消失と微生物の侵入を防げれば命を救うことができると学び、その後も卵の補修技術の研究と訓練を続けた。長年の努力の結果、補修した卵の孵化成功率は当初の30%から現在では50%まで向上したそうだ。
補修作業はまず、卵の損傷の程度に応じ▽レベル1、表面にひびが入っただけのもの▽レベル2、殻は破損しているが内側の卵殻膜は完全な状態を保っているもの▽レベル3、殻と卵殻膜が破損し、卵白の一部があふれ出しているもの──に分類することから始まる。
レベル1の補修は害のないマニキュアを塗ってひびをふさげば完了。レベル2と3の場合は▽パラフィンフィルムか人工皮膚で破損箇所を覆い、加熱して殻と接合する方法▽別の殻を洗浄、消毒して再利用し、マニキュアで破損部に貼り付ける方法──の2通りある。
台北市立動物園の公式ホームページには、ビルマホシガメやケヅメリクガメといった生息数の減少が懸念されるカメの卵を補修する様子を写した画像が紹介されている。
動物園のスタッフは卵の補修について、複雑な作業のため、細心の注意が必要だが、補修を終えた卵の中の胚が発育を続ける様子を照明の光に透かして目にすると、言葉では表せない喜びと達成感を感じると語った。
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