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デルタ、台湾初の5Gスマート工場(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2020年6月9日_記事番号:T00090406

デルタ、台湾初の5Gスマート工場(トップニュース)

 携帯電話基地局向け電源装置の世界最大手、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は8日、同社の桃園研究開発(R&D)センターを台湾初の第5世代移動通信(5G)スマート化モデル工場とし、通信キャリアの遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)と台湾微軟(マイクロソフト台湾)との提携の下、5Gを活用した無人搬送車(AGV)やビッグデータ分析などを導入すると発表した。工場などに独自構築する「ローカル5G」の商機を好感しており、デルタは同工場での成果をパッケージ化して外部に販売する考えだ。9日付経済日報などが報じた。

/date/2020/06/09/00ms2_2.jpg遠伝の5G電波が入った会場でAOI、AGV、MR、AIoTなど各種5G応用が展示された(MS台湾リリースより)

 同工場では、5Gを活用したAGV運用で搬送回数や人的コストを大幅削減するほか、5Gの高速・低遅延の特性を生かして3社共同開発した自動光学検査(AOI)の高解像度画像を利用したビッグデータ分析で、検査の正確性と良品率向上を図る。また、マイクロソフト(MS)のクラウドサービス「Azure」を通じ、▽クラウドコンピューティング▽AIoT(人工知能+モノのインターネット)▽複合現実(MR)──を活用した工場の遠隔管理、メンテナンス、モニタリングが可能となる。

 デルタの鄭安資深副総裁は、AGVとAOIは台湾での試験運用後、中国工場に導入し、将来的にはスマート工場ソリューションをパッケージ化して外部に販売すると説明した。

 遠伝の井琪総経理は、デルタとの提携がローカル5Gの幅広い商機獲得の第一歩となると期待感を示した。同社は現在、試験エリア9カ所で実証試験(POC)を実施しており、各産業や政府との協力プロジェクトを含み、運用場所も北部・中部・南部にわたると説明した。

 井総経理は、5G商用サービス開始とともに、ローカル5Gも正式運用に入ると説明した。遠伝の5G商用サービスは、7月にもスタートする見通しだ。連続80メガヘルツ(MHz)幅の周波数帯を取得しており、▽スマート製造(スマートマニュファクチャリング)▽スマート医療▽スマート交通▽スマートホーム──など向けで優位性を発揮しそうだ。

デルタ、スモールセル新製品

 デルタの鄭副総裁は同日、開発済みの5G小型基地局(スモールセル)が、9~10月にも顧客との実証試験に入ると明らかにした。当初は、5Gインフラ建設が比較的進んでいる中国や欧州の通信キャリアをターゲットにする。同社はスモールセルの専属部門を設立しており、5Gのミリ波(mmWave)帯とサブ6ギガヘルツ(GHz)帯にそれぞれ対応する製品を開発した。