ニュース 電子 作成日:2020年6月15日_記事番号:T00090508
15日付経済日報によると、ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が米アリゾナ州に設置予定の5ナノメートル製造プロセスの12インチウエハー工場について、関東化学グループの関東鑫林科技(KANTO−PPC)の主導の下、化学品サプライヤー3社が近隣地に工場設置を計画しているようだ。初期投資額は5,000万米ドルとされ、TSMC向けに優先して供給するとされる。将来的にはインテルへの供給も視野にあるようだ。
名前が挙がっているのは▽関東鑫林▽長春石油化学(CCPC)▽勝一化工(シャイニー・ケミカル・インダストリアル)──の3社。TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)董事長は9日、5月15日に発表したアリゾナ新工場計画について、化学品など半導体材料のサプライヤーとともに進出したいと語っており、近隣にサプライヤー進出用の用地を確保しているとされる。TSMCが、先進製造プロセスの良品率を左右する化学品の純度を相当重視していることがうかがえる。
化学品サプライヤーは、米工場設置に向けた検討を進めており、年内にも最終決定するようだ。TSMCのアリゾナ新工場の完成・設備搬入の半年前に完成させ、TSMCの製品認証を済ませるとされる。TSMCのアリゾナ新工場は2024年に量産予定で、消息筋によると同州フェニックス中心部から車で30分、インテルの工場から約1時間の距離に建設されるようだ。
経済日報によると、TSMCの承認を条件に、引き続きこの「台湾化学品チーム」への参加を募っているとされる。TSMCのアリゾナ新工場を支援する台湾の化学品サプライヤーは全体で6社に上るもようだ。
サプライチェーン関係者は、関連化学品は米国にもサプライチェーンがあるが、世界最先端の製造プロセスを持つTSMCと共に歩んできた台湾サプライヤーは、高純度化学品の生産、品質、技術面で世界のトップにあり、インテルも台湾から積極的に化学品を調達していると指摘した。
関東鑫林は、▽過酸化水素水▽アンモニア水▽フッ化水素酸▽高純度溶媒▽混酸エッチング液▽フォトレジスト現像液▽洗浄液──などの半導体用化学品・特殊化学品をTSMCに供給しており、昨年TSMCから「化学材料品質協力賞」を受けた。
長春グループは、石化台湾2位で、半導体パッケージング(封止)用高純度エポキシ樹脂や、プリント基板(PCB)用銅箔(どうはく)といった化学品、電子材料を手掛ける。
勝一化工は、産業用溶剤台湾2位で、TSMCの多数の製造プロセスで半導体洗浄用に利用されている。
設備業者、米拠点設置意向
この他、▽クリーンルーム施工の漢唐集成(ユナイテッド・インテグレーテッド・サービシズ、UIS)▽帆宣系統科技(マーケテック・インターナショナル、MIC)▽自動化設備の盟立自動化(Mirleオートメーション)──など設備関連サプライヤーが米拠点設置や同国での受注拡大の意欲を示している。TSMCは、5月末にクリーンルームや機電工程などの業者を集め、米工場建設に向けた意見交換を行っており、台湾の3~5倍に上るとみられる建設コストや、施工方法や安全基準、現地人材の採用といった法規制面の検討を進めているようだ。
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