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作成日:2008年7月25日_記事番号:T00009091
ヒトクローン禁止の条例案、行政院が決定
行政院は25日、ヒトのクローンを明確に禁じた「人類胚胎(はいたい)および胚胎幹細胞研究条例」の草案を閣議決定した。一方で、幹細胞を取得する目的でクローン胚を作ることは認めており、欧州や日本よりも緩やかな内容となっている。25日付聯合報などが伝えた。
クローン胚は、幹細胞研究が遺伝性疾患の治療に役立つとして期待されている半面、生命倫理上の問題も指摘されてきた。
閣議決定された条例案は、ヒトの細胞核を動物の卵細胞に移植したクローン胚を作ることを認めているが、用途は幹細胞研究に厳しく限定され、子宮内に戻してクローン人間を誕生させる行為は禁止される。また、ヒトと動物の交配受精卵を作ることも禁止される。
行政院衛生署医事処は「ヒトのクローンを禁止する点では各国に共通認識がある。台湾の条例案は韓国、スウェーデン、イスラエル、オーストラリア、中国などと並ぶ規制内容となっている」と説明した。同処は「法案作成の過程では各界から意見を募ったが、立法院の審議ではさまざまな意見が示されるのではないか」との見通しを示した。
台湾大病院産婦人科の陳信孚医師は「クローン技術の発展には大量の卵子が必要だが、ヒトの卵子は入手先が限られる。動物の卵子の使用が認められれば、幹細胞研究における意義は大きい」と法案を評価した。