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友達が減産発表、韓国メーカーの追随が鍵


ニュース 電子 作成日:2008年7月25日_記事番号:T00009111

友達が減産発表、韓国メーカーの追随が鍵

 
 コンシューマ電子製品の消費が冷え込み、パネル業界の先行き不透明感が強まる中、友達光電(AUO)は24日、第3四半期は設備稼働率を10%引き下げると明言した。ハイシーズンの減産はパネル業界で10年ぶりのケースとなる。業界最大手のサムスンと2位LGディスプレイ(LGD)の韓国勢が減産に追随すれば、需給バランス回復に一定の効果を上げると予測される。しかし追随しなければ、不安定な需給バランスが続く中、友達だけがシェアを低下させることになるため、韓国勢の動向に注目が集まる。25日付中国時報などが報じた。
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 友達の陳炫彬執行長(CEO)は同日の業績説明会で、「6月の最終週に、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題や原油高、インフレなどの影響が一気に現れ景気に異変が生じた」として、第2四半期100%だった稼働率を、今期は90%まで引き下げると宣言した。陳執行長は減産理由を市場の変化への対応としつつ、「パネルの出荷量は既に5期連続成長を続けており、今期の減産は理にかなっている」と語った。

8月以降は需要が回復

 陳執行長によると、第3四半期の出荷枚数は大型パネルで5%増、また中小型パネルもノキアなど携帯電話大手ブランドからの受注増、および低価格パソコン向けの順調な受注が続いていることから、15%程度成長の余地があるとしている。

 一方パネル価格は、テレビ向けは微減にとどまるものの、IT(情報技術)製品向けは15%と大幅な下落が予想され、大型パネル全体では5%の下落となる見通しだ。

 在庫状況は、現在テレビ向けは健全だが、モニター向けは1~2週間の在庫超過で、消化に1~2カ月必要との見方だ。ただ、8月末に在庫の消化が完了すれば、ノートパソコン用でハイシーズンの在庫確保のため需要が伸びるとみられる。

来年度設備投資は柔軟に対応

 陳執行長は、第3四半期は不調となるが、8月には在庫統制が終わり需要は回復を見せるとしている。さらに北京五輪や中国の10月の長期休暇における液晶テレビ販売にも期待できるとして、2008年の同社設備投資額1,300億~1,400億台湾元(約4,600億~5,000億円)に変更はないと強調した。

 また来年の見通しについて陳執行長は、「市場ではマイナスの見方が多数を占めるが、不測の事態が起きない限り、それほどひどくはならない」との見方を示した。しかし、設備投資に関しては、もし景気が悪ければ2本目となる第7.5世代生産ライン(L7B)および8.5世代ライン(L8A)の量産スケジュールを減速させるなど柔軟に対応するとした。

「韓国勢に追随の義理あり」

 友達の減産発表について外資系証券会社アナリストは、「LGD、サムスン、奇美電子(CMO)が追随しなければ効果はない」と語る一方で、「3社は減産を宣言しない」という見方をとっている。理由はどのメーカーも06年から07年は、手元のキャッシュフローが不足したため減産せざるを得なかったが、現在は豊富な資金を抱えており、追随意欲は高くないとみられるためだ。「3社は追随する義理がある」という見解も、別のアナリストから出ている。

LED転換、10年末に前倒し

 友達は発光ダイオード(LED)市場での展開も積極的に進めており、2011年末までに、ノートパソコン用バックライトを全面的にLEDに転換する目標を定めていた。しかし、陳執行長は同日、「消費者の環境保護に対する意識が高まっており、スケジュールを前倒しして10年末の達成を目標とする」と表明した。

Q2利益は24%マイナス

 友達が同日発表した第2四半期の連結売上高は前期比9.6%減の1,234億7,600万元、連結粗利益率は25%、連結純利益は同24.4%減の203億9200元となった。上半年売上高は2,601億元、同連結純利益は473億7,700万元となった。

 第2四半期の出荷枚数は、大型パネルが前期比0.8%減、前年同期比12%増の2,185万枚、中小型は前期比11.1%増、前年同期比29.9%増の4,188万枚となった。