(29日午前10時=YSN)
中央気象局によると、台風8号(アジア名・鳳凰)は28日午前6時50分、花蓮と台東の県境付近に上陸した。台風は台湾全域を暴風雨圏に巻き込みつつ、時速15キロで西北に向かっており、夕方から夜間にかけて台湾海峡に抜けるとみられる。
台風はやや勢いを弱めているものの、今後中南部で風雨が強まることが予想され、中央気象局では厳重な警戒を呼び掛けている。
台風による降り始めからの総雨量予想は、▽台北市平地部、150~250ミリ▽台北市以外の北部平地部、200~300ミリ▽台中市など中部平地部、200~300ミリ▽高雄平地部、300~500ミリ▽宜蘭・花蓮平地部、400~600ミリ──などとなっている。
台風の影響で、台湾本島全域と澎湖県で28日は公共機関・学校の休みの措置がとられた。株式市場と為替市場も休場となった。
内政部消防署によると、28日午前9時半の段階で台風による死者やけが人などは出ていない。
高鉄、午後6時まで全線運休
台風の接近に伴い、交通機関は台湾高速鉄路(高鉄)が28日午後6時まで、全線を運休する。午後6時以降のダイヤについては、午後2時に発表する。また、台湾鉄路(台鉄)も午後5時まで、特急自強号など座席指定のある列車の運行を見合わせる。台北市内の都市交通システム(MRT)各線は、本数を削減して運行している。
復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)と華信航空(マンダリン・エアラインズ)も全域内便を運休した。中華航空(チャイナエアライン)も、桃園~高雄の連絡便を運休した。
風雨に煙る高雄港。28日は澎湖行き貨物船など一部の船舶に運航停止措置がとられた(28日=中央社)