ニュース 電子 作成日:2020年8月7日_記事番号:T00091436
シリコンウエハー大手、中美矽晶製品(シノアメリカン・シリコン・プロダクツ、SAS)は6日、化合物半導体のファウンドリー、宏捷科技(アドバンスト・ワイヤレス・セミコンダクター、AWSC)に34億9,650万台湾元(約130億円)出資し、同社の株式22.53%を取得すると発表した。筆頭株主に浮上する。窒化ガリウム(GaN)半導体の垂直統合で、第5世代移動通信(5G)基地局や電気自動車(EV)向け商機を狙う。7日付経済日報などが報じた。
徐SAS董事長(中)は、出資比率引き上げも視野にあると明かした(6日=中央社)
SASは、傘下の半導体用シリコンウエハー大手、環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)が開発した、炭化ケイ素(SiC)基板上にGaNをエピタキシャル成長させたGaN on SiCウエハーを、宏捷科技に供給する。月産能力は2,000枚。
宏捷科技の祁幼銘董事長は、GaNは米国2社がほぼ独占していたが、基板を安定的に確保できるようになり、コストも下がると説明した。
徐秀蘭SAS董事長は、第3世代半導体材料と呼ばれるGaNやSiCは価格が高く非常に希少と指摘した。GaNやSiCを使用したワイドバンドギャップ半導体は、来年下半期の需要拡大が見込まれている。
SASは、宏捷科技が発行する新株4,500万株を1株77.7元で引き受ける。払込期間は8月18日まで。宏捷科技の来年の董事改選で、SASは徐董事長を含む董事2人以上を派遣するようだ。
生産能力拡大も
宏捷科技は、第2工場区を拡張し、年内に月産能力を1万5,000枚へと、現在の1万2,000枚から増やす予定だ。月産能力は2万枚まで拡大できる。一方、同業最大手の穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)は月産能力4万1,000枚で、水をあけられている。
業界関係者は、市場の主導権を握られている状況のため、宏捷科技はさらなる生産拡大が必要で、SASからの出資受け入れは資金面での後ろ盾になると指摘した。
ある証券会社は、宏捷科技はこれまで中堅の位置付けで、大企業を顧客にできなかったが、今後STマイクロエレクトロニクス、オン・セミコンダクター、インフィニオン・テクノロジーズなど大手IDM(垂直統合型の半導体メーカー)にも車載用半導体を供給できる可能性があると指摘した。
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