ニュース 電子 作成日:2020年8月24日_記事番号:T00091715
ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、来年第2四半期に5ナノメートル製造プロセスの月産能力を10万枚以上へと、現在の6万枚から6割以上拡大し、サムスン電子に対するリードを広げるようだ。サプライヤーによると、米国の輸出規制強化で華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)傘下の海思半導体(ハイシリコン)向け生産はなくなるが、米アップルやクアルコムなど8社以上がTSMCの5ナノ生産能力を奪い合っている状況だ。24日付経済日報が報じた。
サプライヤーによると、TSMCは第4四半期に南部科学園区(南科)Fab18の第3期工場(P3)で5ナノ月産能力を2万8,000枚増やし、来年第2四半期に南科第4期工場(P4)で1万7,000枚増やす計画だ。第4~6期拡張は当初3ナノ生産に充てる予定だった。
サプライヤーによると、TSMCは8月、5ナノ生産能力の8割を、独占受注しているアップルのスマートフォンiPhone新機種用プロセッサー「A14」生産に充てており、10月に出荷のピークを迎える見通しだ。アップルは先月末、iPhone新機種の発表が数週間遅れると認めていた。例年は9月発表だ。
TSMCは、米国の政策を受け、ファーウェイ傘下のハイシリコンからの新規受注を停止しており、9月15日以降はハイシリコン向けに出荷しないと説明した。ハイシリコン向けだった5ナノ生産能力の空きは、第5世代移動通信(5G)関連の高性能計算(HPC)や人工知能(AI)関連チップ需要が旺盛で、アップルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコムなどからの受注で満杯になったようだ。聯発科技(メディアテック)、NXPセミコンダクターズや、中国の人工知能(AI)チップ大手3社もTSMCの5ナノプロセスを採用している。
7ナノ出荷、累計10億個超
TSMCは、7ナノの良品チップ出荷が累計10億個を超えた。2018年4月に世界で初めて量産を開始し、これまでに顧客は数十社、100種類以上のチップを生産している。
TSMCは25~26日、毎年恒例の技術フォーラムを初のオンライン方式で開催する。例年4月開催だが、今年は新型コロナウイルス感染症流行を受けて延期された。業界関係者は、7ナノ、5ナノ量産が順調で、受注が満杯となる中、3ナノ以降の先進プロセスのロードマップに注目が集まると指摘した。
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