ニュース 電子 作成日:2020年9月7日_記事番号:T00091958
業界関係者によると、電子機器受託生産サービス(EMS)最大手の鴻海精密工業が、クラウドサービスプロバイダー(CSP)大手の米マイクロソフト(MS)のサーバー受注の一部を、緯創資通(ウィストロン)傘下の緯穎科技服務(Wiwynn)から奪い取った。鴻海とMSは先週2日、特許権利金訴訟などで和解したばかり。CSP向けサーバーは需要が高まっており、鴻海は今年2桁成長を見込んでいる。7日付経済日報が報じた。
従来サーバー業界は、HP、デル、中国の浪潮(Inspur)などのブランドが中心で、鴻海など台湾メーカーが主に受託生産していたが、近年MS、グーグル、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コムなどCSPのサーバー需要が拡大している。
MSのサーバーは主に、▽Wiwynn▽鴻海▽広達電脳(クアンタ・コンピューター)▽英業達(インベンテック)──が受託生産している。Wiwynnは、2019年出荷量の4割を手掛けた。
市場では今年上半期、WiwynnがMSのサーバー受注を一部失い、鴻海が受注したとの観測が何度も流れていた。
鴻海は、市場の観測に対してはコメントしないとした。Wiwynnも、特定の顧客や製品についてはコメントしないとした。
鴻海とMSは2日、特許ライセンスの権利金を巡る訴訟で和解したと発表した。両社は提携範囲を拡大するために、和解したとみられている。
サーバー売上高、1兆元突破へ
鴻海は、20年売上高のうちサーバー関連が1兆台湾元(約3兆6,000億円)を超えると見込む。19年はサーバーや半製品の出荷量が台湾メーカーの首位で、売上高は1兆元近かった。7割はサーバーブランドの受託生産で、3割はCSP向けだった。
鴻海は昨年、HPとのクラウドサーバー製造の合弁会社を解散した。
CSP向けサーバーは、鴻海傘下の産業インターネット(IIoT)事業子会社、富士康工業互聯網(フォックスコン・インダストリアル・インターネット、FII)が主に手掛けている。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722