ニュース 運輸 作成日:2020年12月16日_記事番号:T00093698
新型コロナウイルス感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官を務める衛生福利部(衛福部)の陳時中部長は15日、ワクチン調達について1~2週間以内にはっきりした情報を報告できると語った。ワクチン輸送の商機を見込み、中華航空(チャイナエアライン)と長栄航空(エバー航空)は意欲を示している。16日付経済日報などが報じた。
中華航空の貨物機ボーイング777型機。CARGOのロゴのCの白い部分に、台湾の地図がデザインされている(14日=中央社)
指揮センターの荘人祥広報官は、ワクチン共同購入の国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を通じ、▽米ファイザーと独ビオンテック(BNT)▽英アストラゼネカと英オックスフォード大学──が開発したワクチンを調達する可能性が高いが、まだコバックスから通知を受けていないと述べた。コバックス以外に、メーカーとも直接交渉中で、全部で3,000万本、1,500万人分を確保したいと語った。台湾の人口の65%に相当し、医療関係者や高齢者の接種を優先する。
ワクチン輸送については荘広報官は、航空機の改造が必要で、まだ航空会社に委託はしていないと述べた。
温度管理輸送が必須
中華航空は、多くのメーカーからワクチン輸送について打診されており、計画中だと説明した。中華航空は、国際航空運送協会(IATA)の医薬品の航空輸送品質認証「CEIVファーマ」を台湾で唯一取得しており、温度管理が必要なコールドチェーン(低温物流)輸送ができる世界17社のうちの1社だとアピールした。来年第1四半期にはボーイング777型機を2機導入し、貨物専用機が21機に増える予定で、台湾のワクチン輸送を全て引き受ける可能性がある。
エバー航空は、交通部民用航空局(民航局)と交通部に対し、ファイザーのワクチンを輸送できる能力を擁しており、政府の委託を受けられると伝えたと明かした。貨物専用機のボーイング777型機を5機保有しており、来年3機増やす予定だ。
業界関係者によると、ワクチン輸送は貨物専用機で、温度管理コンテナが必要だ。民航局は先日、航空会社と会談し、いずれの航空会社も輸送能力があると確認したとされる。
IATAの統計によると、世界の人口78億人にワクチン1本を届けるためには、ボーイング747型機が延べ8,000機必要。ワクチン輸送が、航空貨物運賃を押し上げそうだ。
台湾3社、年内に第2相治験
一方、台湾のワクチンメーカー、▽国光生物科技(アディミューン)▽高端疫苗生物製剤(メディゲン・ワクチン・バイオロジクス)▽聯亜生技開発(UBIアジア)──は、来年の海外製ワクチン輸送を見越し、事前に中華航空とエバー航空、および貨物取扱業者(フォワーダー)と協議していると明かした。
メディゲンは同日、衛福部食品薬物管理署(TFDA、食薬署)に対し新型コロナウイルス感染症ワクチンの第2相臨床試験を申請したと発表した。アディミューンとUBIアジアは先月申請した。3社は来週にも専門家委員会の審議を受け、12月末までの第2相臨床試験開始を目指す。
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