ニュース 社会 作成日:2021年2月1日_記事番号:T00094512
台湾の離島、金門島東部に位置する旧市街、沙美老街(金門県金沙鎮)で数年前から、モロッコなどアフリカ北部で見られるような黄土色の壁をした建築群が出現した。「インスタ映え」すると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)用の写真を撮影する観光客の人気スポットとなっている。
沙美老街は30日、地元の古老による語りを聞ける新ツアーを開始した(30日=中央社)
沙美老街は金門で最も早くに形成された市街地の一つで、起源は宋時代にまでさかのぼるとされる。
地元の老人によると、かつては金門島東部で最も栄えた街だったそうで、海賊による襲撃や強風を防ぐために、多数の細い路地が入り組んだ構造となった。
その後、近隣に開設された映画館「金沙戯院」周辺に商店などが集まり、沙美老街は没落が進み、空き家となった建物の荒廃も進んでいった。
2015年、荒廃した建物に対する安全面の懸念から、金門県政府は残された壁が倒壊しないよう黄土色のセメントで補強する対策を講じた。すると、その光景がモロッコの町並みに似ていると「廃墟マニア」などの間で話題となった。今では観光客がSNSに投稿するための写真を撮影する人気スポットだ。
同県内では7年前より、倒壊が危惧される建物の取り壊しや補強工事に取り組んでいる。補強が完了した建物は389件に上り、「沙美モロッコ」のような光景は県内各地で見ることができるそうだ。
沙美老街では、「モロッコ化」による観光客の増加について「地元に商機をもたらした」と歓迎の声がある一方で、「こうした補強方法では、金門の伝統建築に使用される赤れんがや石材などが見えなくなる」、「話題となったのは偶然」などといった否定的な意見も出ている。
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