ニュース 社会 作成日:2021年2月18日_記事番号:T00094674
建物の壁などに絵を描くウォールアートで話題を作り、観光地化しようという機運が台湾各地で高まっている。新北市でも昨年、市内のポンプ場の壁に「ディズニー風」の絵を描く計画が持ち上がった。しかし、完成予想図を見た地元住民から、アートではなく「子供向けアニメ」など否定的な声が噴出したことから、急きょ計画は中止となった。
新北市樹林区の鉄道公園のウォールアート(14日=中央社)
台湾では近年、台南市永康区の復興彩虹眷村(けんそん、外省系住民の集落)などコミュニティー内の建物の壁にカラフルな絵や模様を描いて話題となり、観光客の写真撮影スポットとして人気になるケースが相次いでいる。
その後、台南市では復興彩虹眷村に倣ったウォールアート化計画が次々と立ち上がり、市当局に補助金を申請するコミュニティーが増加した。ただ、その内容を見ると、スタジオジブリの人気アニメ、「となりのトトロ」など人気キャラクターを許可なく使用したものや、地元の特色とは無関係で周囲の環境とも融和しないものが多かったため、市では補助金の支給を取りやめた。
新北市でも各地の里長(基礎行政単位の長)や区公所の主導の下、数万~数十万台湾元(1元=約3.78円)をかけてウォールアート化する計画が進められている。しかし、デング熱の啓蒙を目的とするウォールアートに西遊記のテーマを採用して見る者を混乱させたり、時間の経過に伴って塗料が剥がれ落ちたり、黒ずんだりして見た目が悪くなるなど問題のあるケースも少なくないようだ。
一方、同市泰山区明志路の商店街では一昨年、区公所や地元企業の協力を受け、台湾の他、欧米、アジアなど世界各国・地域から60人のグラフィティ・アーティストを招き、各商店のシャッターを使った創作を依頼するというプロジェクトを推進した。地元の獅子舞行事や商店の特色と結び付いた見事な作品が並び、地元住民から「街が活気づいた」と好評を得ている。
こうした賛否を受け、新北市は、補助を受けてウォールアート化計画を推進する場合は地方の特色と関連付けるといった条件を持ち込んだ指針を策定中で、今月末にも公布する予定だ。
東南科技大学教授で台湾文化創意協会理事長の陶翼煌氏は、まず老朽化した建物の壁面を改善した上で、住民とコミュニケーションを重ね、地元の文化的特色を基本としたウォールアートのテーマを決めるべきと提言した。
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