ニュース 社会 作成日:2021年3月15日_記事番号:T00095078
中南部を中心に深刻な水不足が続き、人気観光地の南投県の湖、日月潭でも水位が低下。日月潭の近くにかつて存在したとされる原住民集落の遺構らしきものが湖底から姿を現した。
日月潭の東部湖岸には、一目で水位が分かるよう9匹のカエルが重なった石像「九蛙畳像」が設置されており、一番上のカエルがちょうど沈んだ満水の状態で水位は海抜748.48メートルとなる。反対に水位が745.9メートルより下がると一番下のカエルが姿を見せ始める。長期間にわたる少雨により、水位は現在738メートルまで下がっており、九蛙畳像がひび割れた湖底の地面の上に完全に露出している状態だ。
ガラス瓶の周りには、原住民が建材として使用する石板の欠片が散らばっていた(石氏フェイスブックより)
こうした状況の中、南投県に分布する原住民、サオ族出身の南投県議員で、同族の歴史や文化に詳しい石慶龍氏が今月6日に日月潭北部、涵碧半島(南投県魚池郷水社)周辺の状況を視察した際、渇水により現れた湖底に10本のガラス瓶が並べて埋められているのを発見した。かつてサオ族が水やヘビ、昆虫の侵入を防ぐために住居の入り口に設置した敷居ではないかと考えた。
10日の再調査では、ガラス瓶は日本統治時代の1901年に開設された台湾総督府専売局が製造したものと判明したほか、周辺からは別のガラス瓶の列や50~60センチメートルの幅を持つ石版が見つかった。
石氏によると、水社地区周辺にはかつてサオ族の小さな集落「水社部落」が存在し、当時の著名な人類学者、伊能嘉矩や鳥居龍蔵が訪問したことがあったそうだ。しかし水社部落は34年、揚水発電所の日月潭第一発電所が建設された際に貯水域の範囲内に含まれるとして移転させられ、水没したという。
周辺には漢人の居住地もあったことから、今回見つかった遺構がサオ族の住居跡かどうかは確定していない。石氏は、古写真と照合した上で、水社部落跡の可能性が高いとして南投県文化局に古籍としての保護を申請。今後、専門家による調査が進められる予定だ。
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