ニュース 社会 作成日:2021年3月25日_記事番号:T00095266
中国が台湾産パイナップルの輸入を停止したことを受け、農家を支援しようと台湾域内での購入が増えているほか、日本のみならず、さまざまな国・地域への輸出も拡大している。
シンガポールのあるスーパーでは、18日から台湾産パイナップルが販売された(19日=中央社)
カナダの台湾系スーパーマーケット、国華超市はこのほど、屏東県産のパイナップル500箱(1箱10キログラム)を発注。今月中の感謝祭セールで販売するため、船便ではなく航空便で輸送することとなった。今回、国華超市が調達したパイナップルは10キロ当たり500台湾元(約1,900円)だが、カナダでの販売価格は4,000元まで跳ね上がるという。空路での輸送には1キロ当たり300元のコストがかかるため、この販売価格でも利益はほとんど出ず、同スーパーは農家への支援と消費者への利益還元が目的と強調した。
このほか、台湾産パイナップルはシンガポールへも輸出されている。ただ最近、農家を支援しようとパイナップルを輸入した同国の台商(海外で事業展開する台湾系企業)が、甘くないものが多く含まれているほか、中には腐っているものもあったとメディアに投書し、話題となっている。
行政院農業委員会(農委会)農糧署は、生産者に対し、甘さが不十分となるため早く収穫し過ぎないよう要請。また腐敗問題については、貯蔵温度が不適切だったことが要因と指摘し、貿易業者に対し、12~15度を維持するよう注意喚起した。
農委会の陳吉仲主任委員は、これまでは最盛期ではなかったとして3月下旬以降は品質が改善されるとの見方を示した上で、生産者や流通業者に対し、品質保持に向けた標準作業手順書(SOP)をより厳格に順守するよう求めた。
ある農家は、果物を輸出する場合は温度のほか、輸送にかかる期間も慎重に考慮する必要があると指摘。特に船便の場合は日本へ輸送する場合とカナダへ輸送する場合では所要時間が異なるため、半年前の花を付ける段階から仕向け先に応じた準備が必要となり、これを怠れば品質に影響が及ぶそうだ。
突発事態に対応して輸出されるパイナップルの品質に、ある程度の問題が生じるのは致し方ないことなのかもしれない。
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