ニュース 社会 作成日:2021年4月9日_記事番号:T00095481
数百匹の野良猫が住み着く「猫村」として知られ、猫好きが訪れる観光地となっている新北市瑞芳区猴硐里に8日、ネコ用の役場「猴硐猫公所」の開設に向けた準備室が設置された。同所では今後、地域内に暮らす猫の調査を進め、「身分証」の交付や医療サービスの提供を行う方針だ。
猴硐猫公所の壁は、地元の鉱業である金で彩色されている(新北市政府リリースより)
猴硐里にはこれまで、ネコの飼い方や衛生面での情報を提供する施設、「猴硐ネコ情報ステーション」が設置されていた。「人間」をサービス対象として正しい知識を身に付けさせることを目的とする同施設をネコを主役とした猴硐猫公所へと移行する。
猴硐里が「ネコたちの楽園」として広く知られるようになったことで、自宅で飼えなくなったペットのとネコをここに連れてきて捨てるケースが跡を絶たない。しかし、ネコは縄張り意識の強い動物で、「新入り」のネコはいじめられてエサを確保できない場合があるほか、感染症流行の原因となる可能性もある。
実際、2019年には地域内のネコの間で「猫汎白血球減少症」(猫ジステンパー、猫伝染性腸炎とも)が発生して2匹が死亡し、大きな騒動となった。
こうした現状を踏まえ、猴硐猫公所では正式に開設された後、複数のボランティア団体から参加するメンバーでパトロール隊を結成する予定だ。猴硐里を巡回してネコたちの安全や捨て猫の防止に努めるほか、全てのネコに身分証(マイクロチップ)を埋め込むことで戸籍を作成し、それぞれの個体を追跡して状態を観察、記録する。さらに非営利団体が開設、運営するネコ用の診療所で医療サービスも提供する。
今回開設された準備室の前には、ネコの食欲を増進させたり、情緒を安定させる効果のある成分を含む植物、イヌハッカが植えられている。動物保護防疫処は、多様な動植物が融合した生態系を構築し、猴硐里を「ネコの楽園にしたい」との考えを示した。
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